少女マンガ家のミナモトカズキさんが



少女マンガ家のミナモトカズキさんが-
     引用:『少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。』ミナモトカズキ



あらすじ

少女漫画家な私。実は男でゲイでした。

「友達にカミングアウトするには?」「母親にカミングアウトするには?」
「初めて恋人ができました」「ゲイ漫画家から少女漫画家へ」and more…

人気漫画家ミナモトカズキが自らの波乱万丈な半生を赤裸々に描く、初の自伝的エッセイコミック!!

感想

今回ご紹介するのはミナモトカズキさんによる『少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。』というコミックエッセイです。

失礼ながら普段は少女漫画を描かれている著者のミナモトカズキさんのことは、このコミックエッセイで初めて知りました。

今回この書籍と合わせてせっかくの機会なので他のミナモトカズキさん作品(TL少女漫画)も購入して読ませていただきました。

本の内容はあらすじに「ふつーに生まれて ふつーにゲイだって気付いて ふつーに幸せになりたくて… そんなふつーの人間の半生を」とあるように、著者であるミナモトカズキさんのマンガ家であり、恋人がいたりといった半生を綴った作品で。

あくまでもスタンスとしてはミナモトカズキさんの半生をつづったコミックエッセイですが、ちゃんとテーマとしてカミングアウトの部分があるので、私自身のカミングアウトの捉え方の違いなどを見ることができ、とても勉強にもなりました

カミングアウトというテーマ

個人的に書籍タイトルのように、ところどころに散りばめられた「カミングアウト」という点がとても印象に残りました。

友人へのカミングアウト、母へのカミングアウト、祖父へのカミングアウトと物語の要所要所でカミングアウトのシーンが出てきます。

それぞれがそれぞれに違うリアクションで、カミングアウトの難しさ、そして大切さを改めて感じました。

特に母親へのカミングアウトのシーンとお祖父さんへのカミングアウトのシーンは、とても言葉で言い表すのは難しいですが、グッとくるものがありました。

私自身、母へのカミングアウトはかなりかなり言葉を選び時間をかけて説明をして、それも1回では説明できなかったので、何度も何度も時間を作ってもらいました。

そのくらいカミングアウトって難しくて大切なのもの。特に大切な人へのカミングアウトは。

ミナモトカズキさんの考えるカミングアウト論

そしてあとがきではミナモトさんは「カミングアウトすることは正義」と思っていたこともあったようで、それが経験を踏まえてそうは思わなくなり、それでも「カミングアウトするべきかな」と悩んでる人がいたら、そっと後押しをしたいと書かれていていました。




「辛い現実を突きつけられるかもしれない。
 
でもその可能性と同様に、幸せな現実が訪れる可能性だってゼロじゃない」

        引用:『少女漫画家のミナモトさんがカミングアウトします。』ミナモトカズキ


そして連ねて「それが自分の思う、カミングアウトをするという選択です」と書かれていました。

私はよく「カミングアウトしない選択肢」という言葉を使います。

これは今までの「クローゼットに閉じこもってないで出ておいでよ(カミングアウトしなよ)!」というクローゼットに対する排他的な考えや、ジェンダーやセクシュアリティを明かさなくてもやれることはたくさんあるという考えがあるからです(カミングアウトしちゃダメってワケではない)

それに対してミナモトさん場合、カミングアウトしたあとの世界の広がりに可能性を感じての「カミングアウトをする選択(カミングアウトを強要しているワケではない)に、面白さというか、それこそ改めてカミングアウトの可能性を感じました。

そういったカミングアウトの可能性をこの本を読んで改めて感じることができて良かった思います。

最後に

また今回カミングアウトにスポットライトを当てての感想になりましたが、ミナモトさんご本人のキャラクターも面白くて魅力的です。恋人とのやりとりもクスリと笑えますの是非。