内容
「親子になる」ってどういうこと?
同性婚のメリット・デメリットは?家族への報告って必要?役所への書類提出ってどうやるの?
こんな疑問にマジメに取り組んだバカップルの話。LGBTの悩みに取り組む行政書士のコラムも収録したコミックエッセイ!
感想
今回ご紹介するのはコミックエッセイ『同性婚で親子になりました。』です。
「同性婚で親子?」と思う人もいるかもしれませんが「婚姻の代替え制度として養子縁組」を利用されているお2人のお話です。
過去に同性婚についてのコミックエッセイやエッセイはちょこちょこあったのですが、「婚姻の代替え制度としての養子縁組」を利用されている内容の書籍はかなり珍しいのではと感じました。
また同性カップルのロールモデルとしても、ひとつの選択肢になりうるのかなと感じました。
同性婚の代わりの養子縁組
この書籍は軽快な内容で全体的にクスッっと笑えるカップルの話が中心ですが、「婚姻してないことの不都合」や「養子縁組のメリット・デメリット」など、しっかり盛り込まれていて読み応えがあります。
個人的に印象に残ったのは、双方のカミングアウトの件、一方はゲイであることの母へのカミングアウトに養子縁組で苗字が変わることなどなど納得しない父親に苦戦する中、もう一方は「養子縁組するから」の書類作成含めて正味15分のカミングアウト。
両極端な2人のカミングアウトですが、どちらも人間味があって面白おかしく描かれていました。
またお2人の日常だけでなく、コラムにて法的な部分、養子縁組届の書き方や公正証書・契約書による同性婚、養子縁組のメリットと課題など、真面目な捕捉もあって、漠然と「同性婚の代わりの養子縁組って?」という疑問にも答えてくれています。
読んでいて気付いたのですが、お2人がクローゼット(この場合ゲイだと公に公表していないこと)だということに、驚きました。
同性同士が結婚すると男性同士であれ、女性同士であれ、男女の夫婦よりはどうしても目立ってしまうため、必然的にカミングアウトせざるを得ないのと思っていたのですが、お2人はカミングアウトをしない選択肢を取られているようでした。
私自身クローゼットを選択した身として「カミングアウトしなくても何か発信したい」と続けているブログ4コマだったので、妙な親近感を感じてしまいました。
素敵なふうふ
また、あとがきにて「相談できる相手がいなくて1人で悩んでる子に「こんなに楽しい将来があるかもしれないよ」と思ってくれたら幸せ」とあるように、悩める若い子にも力になれる作品だと感じました。
帯やあとがきなどにたびたび出てくる単語「バカップル」が妙にお2人にピッタリで、同性カップルであるとか養子縁組だとかの前に、素敵なふうふだなと改めて思いました。
そんな2人の養子縁組で親子になった同性カップルの日常をぜひのぞき見してみてください(*ゝω・*)