ゆりにん


あらすじ

「彼女の子供が欲しい。でも、私は不妊症だった」

レズビアンカップルの紫苑と牡丹が挑んだ妊活記録を漫画化!

国内外での精子提供や人口受精の事情がよくわかるコラムも収録!

パートナーの牡丹と一緒に暮らす紫苑。人工授精で子供を作り、牡丹と一緒に育てると決意するが!?
 
人工授精、精子提供。レズビアンカップルの妊活コミック!リアルに子供を産んだレズビアンカップルの声も収録!
 
原作監修・文 藤間紫苑/作画 江川広美

感想

今回ご紹介するのは女性同士のカップルが子どもを持つことを決意し妊活に奮闘する『ゆりにん レズビアンカップルの妊活奮闘記』をご紹介します。
 
帯にも「日本初!」と書いてあるくらいなので、女性同士のカップルが子を持つために「妊活」をする作品は珍しく、できれば同性カップルの子を持ちたいと思う人の力になる作品であればと思い手に取りました。
 
書籍全体としてはレズビアンカップルが「子どもを授かりたい」と思い妊活を決意するところから、さまざまな妊活(作中では精子提供に至るまで紆余曲折がある)、各々の事情や健康状態、そして物語の区切りにはコラムもあります。

妊活、パニック障害、浪費癖、毒親

妊活に関しては「レズビアンならでは」というよりは基本的な部分から触れているので、少し入りやすいかもしれないですね。
 
ただ物語は妊活メインですが要所要所でパニック障害やトラウマ、浪費癖、毒親など著者である紫苑さんのこともかなり占めているので、必ずしも「レズビアンカップルの妊活だけの話」ではないことに注意した方がいいのかなって思います。
 
また開始数ページでの性行為の描写には少し疑問で、著者の紫苑さんはかなり赤裸々な性格なようで、個人的に初めはついていけない感じがしましたね

まとめ

それでも性的少数者の現状であったり、社会の壁であったりと、ちゃんと描かれている作品であり、さらには個人的に物語途中にある「番外編」にて「妊活始めた人は絶対やってほしいこと」

漠然とした疑問「子育てにいくらかかるか」などは、もっと突っ込んで知りたいとは感じるくらいの情報量ですが読んでいてとても参考になりました。
 
書籍末には文章にて著者の紫苑さんと精子提供者の義兄さんとの対談や、金井景子さん青山真侑さんの解説、そして紫苑さんのパートナー牡丹さんの解説と、漫画では分からなかった部分も知ることが出来るので読みごたえのある書籍だと思います