ぼくたちLGBT 1 /集英社/トミムラコタ
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内容紹介
「トミムラコタ、バツイチ子持ち26歳、バイセクシュアルです」
ツイッターでカミングアウトし大反響! 著者自らの体験とともに、出会ったLGBTsの人々をコミカルに描く、99.9%実録エッセイマンガ!
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった性的少数者の総称──。
感想
今回ご紹介する書籍はこちら『ぼくたちLGBT』。
内容はバイセクシュアルの著者の実体験をベースにしたコミックエッセイでこれまで出会ってきた人たちの話もはいっています。
タイトルで「どんなLGBT話があるんだろう」とワクワクしていたのですが、メインはバイセクシュアルである著者の実体験でした。
バイセクシュアルというか女性が女性と出会い恋仲になるにはネットなどいわゆる“あるある”ネタが盛りだくさんで、経験のある人には懐かしさとかもあったのかなって思います。
バイセクシュアルならではという感じではなく、著者さんならではという感じもひとつの魅力なのかもしれません。
その他にも著者が出会った個性的な人とのエピソードも、ゲイだけど将来は女性と結婚して子どもも欲しい男性や女装をきっかけに世界が開けたダンディやおじさんなどインパクトがあって楽しめました。
気になる部分
それぞれのエピソードは面白くてインパクトもあったけれど、構成の問題で4コマ形式になったり、マンガ形式になったり、また4コマ形式に戻ったりと少々見づらさを感じてしまったのが残念。
絵柄も表紙のシンプルな絵柄かと思ったら、中身は割りと崩し絵柄も多く、構成も相まって見づらくなってたのも気になる点。
内容も「バツイチ子持ち26歳、バイセクシュアルの著者が……」とある割にはそのあたりの掘り下げがないのモヤモヤ。
“バツイチ子持ち”の部分はほとんどセクシュアリティに関係ないかもしれないし、とてもパーソナルな部分でもあるので、全く描かれなくていいかもですが、タイトルにLGBTとあるので、もっと著者さんが感じた“バイセクシュアルあるある”とかを読んでみたかった印象です。
著者のセクシュアリティの向き合い方
著者さんは女性との出会い方や他のセクシュアリティの人たちの出会いなどさまざまな経験を経て「私パンセクシュアルでは?」と思い、その過程で
「無理にカテゴリに当てはめる必要もない」
「自身のセクシュアリティについて考えるのは楽しい」
「“誰でも愛せる可能性がある自分”が好き」
と思います。この考え方、とても前向きで、なによりも自身のセクシュアリティと向き合った結果のポジティブな表現はとても素敵だと思いました。
あと「今ノンケだ!って人も今後どーなるかわかんないぜ!!」って言ったのもらしくていいなって思います。
まとめ
まだまだ1巻(全2巻)なので正直物足りない感は個人的に否めませんでしたが、その分続刊は気になる次第であります。
“頂いたメールやこれから出会うさまざまな人たちから話を聞いてなるべく多くのセクシャリティ話をマンガにしていければ”とおっしゃっているので、
系統的には新井祥先生の「性別が、ない」に近いものがあるのかなと思っているのですが、そこらへんもどうなるか……。
そう言われれば読み終えて気付いたのですが、こういうコミックエッセイやエッセイ漫画にありがちな『用語解説』とかがないのも特徴的でしたね。
私はセクシュアリティやジェンダーの用語については分かるのですが、レズビアン用語まではパッと出てこなくてちょいちょい苦戦しましたw
あと「セクシュアル」と「セクシャリティ」の使い分けも気になったけど、著者さんのこだわりかな。。。
結構「セクシャルとセクシャリティ」「セクシュアルとセクシュアリティ」って感じで統一する人が多いので。読んでいてちょいと気になったかな。