性別モナリザの君へ


あらすじ

もしあなたに性別がなかったら、あなたは誰を好きになりますかーー…。

この世界で人間は12歳を迎える頃、自分がなりたい性へと次第に身体が変化していき、14歳になる頃には男性か女性へと姿を変えてゆく。
でも自分だけは性別がないまま、18度目の春を迎えた…。

あなたの「好き」と「好き」の違いは何ですか?

この感情の正体は何なのか…。
無性別で迎えた18歳で初めて感じた胸の高鳴り。
「好き」という言葉に、いくつもの意味があることを知ってしまった。
誰かその意味の違いを教えてください…。

モナリザ04
『性別「モナリザ」の君へ 4巻/𠮷村旋』より

感想

性別がない状態で生まれ、12歳くらいで、それぞれ性分化が起きるという世界。

幼馴染みのしおりとりつは、すっかり性分化してしまったというのに、ひなせは18歳になった今も性別がないままだったが、男性となったしおりと女性となったりつから同じ時期に告白されたのを機に、3人の幼馴染みの関係は変化を見せていくというちょっとどころじゃないかなり複雑な三角関係の物語。

作中では恋愛感情も性的欲求も持ち合わせていないひなせが幼馴染二人からのアプローチに困惑したり悩んだり、幼馴染二人ももし今後ひなせの性別が自分の望む性別に変化していっても好きでい続けられるのかと思い悩みます。

モナリザ01
『性別「モナリザ」の君へ 1巻/𠮷村旋』より

かなり特殊な性別設定ですが、ジェンダーという観点ではとても具体手に考えられており、セクシュアリティという点でもフワッとではあるものの触れています。(今後ガッツリ触れるかもしれませんが)

この複雑な三角関係、複雑すぎて登場人物みんな考えすぎるくらい考えているので、難しく感じるかもしれませんが、無性別の子が幼馴染のかわいい女の子と、同じく幼馴染のカッコイイ男の子に告白されちゃった!というお話なので、意外にもすんなり物語は入ってきます。

モナリザ02
『性別「モナリザ」の君へ 1巻/𠮷村旋』より

準モナリザ症候群と性別特殊設定

この作品の世界観は、人は皆等しく無性別で生まれ、約12歳で男か女かに性分化する世界です。性別は望んだ形になる場合もあるがそうでない場合もある(一応は性自認に沿ってるっぽい)というかなり特殊なTS設定です。

そんな中ひなせは18歳になっても性別が変わっていない無性別のままの「準モナリザ症候群」です。

ひなせのような状態の人はかなり珍しく、短命(死因はさまざまではっきりしてない上に症例が少ない)。原作第1巻の終わりではひなせが最年長です(17歳11ヶ月)

何故モナリザなのか…それは作中でも触れられているのですが、モナリザに両性具有の美しさを説いたのではという説から来ています。なんとも面白い設定ですね。

モナリザ03
『性別「モナリザ」の君へ 3巻/𠮷村旋』より

まとめ

こちらの作品はまだまだ連載が続いております。それぞれの想いも行ったり来たり、3人だけじゃなく同級生や担当医などなどいろんな人の想いが交差します。

またかなり珍しい形態ですが、単行本は2色刷りになっていて【ブルー】がとても綺麗です!

特殊な設定の三角関係ですが勢いもあって面白いです!

モナリザ05
『性別「モナリザ」の君へ 4巻/𠮷村旋』より

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