特例法現に未成年の子がいないこと
性同一性障害特例法には『現に未成年の子がいないこと』とあります。当初は『現に子がいないこと』でしたが、いろいろあって改正しました。いわゆる『子ナシ要件』と呼ばれる条件ですね。この『現に子がいないこと』から「未成年の」が追加されて、『現に未成年の子がいないこと』に改正された経緯は戸田恵子さん主演でドラマ化もしました。
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この条件の持つ意味合いは『子の混乱を避けるため』『子の福祉の問題』『子がいる者が安易に性別移行しないための抑止面』などですが、どれも個人的にはイマイチな理由だと思います。現に子の混乱を避けるため、子のことを考え望みの性で就職するために、戸籍の性別を変更したい人もいるし、むしろこの条件故に戸籍の性別変更ができず、就職困難になってしまう人も少なくないのも現状です。

割りと子と性別移行はあまり関係なく、子が未成年でも性別移行する人はするし、この条件がなくても、子が成人するまで待つ人は待つだけだと思います。なので、あまり抑止力にもなってないという…。その他さまざまな理由から「子どものことを考えるのならば『子なし要件』は不要」という意見は強いです。そもそも子がいるかいないかの条件自体が「人権的に問題がある」とも言われていますね。

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ではその他の国や地域ではどうなのだろう、参考になるかもしれないと思って見てみると、この「子なし要件」というのは日本ならではで、海外の事例が参考になりゃしないというのも現状。しかしそんな子なし要件、性別変更の特例法制定後「問答無用で子がいる人の戸籍の性別変更は認められない」から「未成年の子どもがいる人の戸籍の性別変更は認められない」に修正された唯一の条件でもあります(2017年現在)。

まだ「未成年の……」となっている以上は手放しで喜べない条件ですが、この修正で救われた人は多くいます。ひょっとしたら今後も特例法の条件はどんどん改善されていくかもしれませんね!