境界を生きる 性と生のはざまで


内容紹介

わたしは男? それとも女?

「性分化疾患」と「性同一性障害」

男と女。生まれたときに性別は決まっている――そう疑わない社会で、誰にも言えない苦しみを抱え込む当事者たち。

苦悩する医療関係者、そして現実の壁。

人間に根源に迫った新聞報道の金字塔、ついに書籍化

感想

この世界は「男」と「女」だけでつくられていると考える人は多いだろう。

子どもの性別はお母さんのおなかの中にいるときから決まっていて、誕生したときには外見で確かめるだけでいい。

でも実際には、生まれたばかりのわが子を抱いた瞬間に「男の子と女の子、どちらにしますか?」と医師から決断を迫られることがある。

生まれたときは「男の子」 あるいは「女の子」と言われても、成長してから体の性があいまいであると分かったり、「心の性」が反対であると気づいたりする人もいる。
    『境界を生きる 性と生のはざま』帯より


この書籍は当事者やその周辺の方々への取材をまとめたものです。

性分化疾患、性同一性障害の「性」への悩み、医療の現場、事実、カミングアウトなどなど……、当事者への取材から見えてくるものはとても興味深く思いました。

私も言ってしまえば当事者ですが、当事者が何に悩んで、何に救われたかは、それぞれ違うというのが分かるのではないのかなって思います。

さらに、性別に携わる人への取材も面白いです。特に先進国カナダの話はイチ当事者として興味深いものがありました。

比較的読みやすくて、私は一気に読んでしまいましたが、興味のある章から読んでも問題ないと思います。