ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気
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あらすじ
ニュージャージー州オーシャン郡。20年以上警察官という仕事に打ち込んできた正義感の強い女性・ローレルは、ある日ステイシーという若い女性と出会い、恋に落ちる。
年齢も取り巻く環境も異なる二人だったが、徐々に関係を築いていき、郊外に中古の一軒家を買って一緒に暮らし始めることに。
しかし、ローレルが病に冒されていることが発覚する。自分がいなくなった後も、ステイシーが二人の大切な家で暮らしていけるよう、遺族年金を遺そうとするローレル。しかし、同性のパートナー同士では法的に認められていなかった。
病と闘いながら、制度の改正を求め闘う決心をしたローレルの訴えは、やがて社会的なムーブメントへ拡大していき―。
感想
事実を基にした作品という事ですがストーリーはシンプル。同性愛、重い病、権利を求める闘い、です。見どころとしては権利を求める闘いでローレルとステイシーの2人、ローレルの仕事上のパートナーであるデーン、ゲイの活動家のスティーブンの考え方の違いです。権利を求める闘いもやはり一枚岩ではないんだなと実感しました。
そして前述したようにストーリーは寄り道なくシンプル故の見やすさも特徴です。もちろん困難な壁はありますが意外にもあっさりと物語は進んでいきます。個人的にはもう少し掘り下げてもいいのではと思う部分もありましたが少ない時間で充実した内容なので物語としては満足度も高いです。
ゴールは一緒なのにバラバラな面々
権利の平等を求めているローレル、権利なんていいから少しでも長く生きてほしいステイシー、そんな2人にどうにか力になりたいデーン、二人を広告塔にして同性婚へ繋げたい活動家のスティーブン求めることは権利の平等でもキャラクターによって思惑は様々
私はどうも引っ込み思案なほうなのでデモとかスピーチとかパレードとかは苦手なのでローレルやステイシーの気持ちも分かるけど何か行動を起こさないと変わらないのも事実で難しいところなんですよね
作中では二人の未来のためにとローレルとステイシーは行動に移します。それがどんな勇気のいることかまだパートナーシップに夫婦間の保証がないような時代に。バッシングもあるでしょう、その勇気は計り知れません。
ローレルとステイシーの対比
ローレルとステイシーは年齢に差はありますがそれ以上に対比のように描かれています。保守的な土地の公務員で保守的な環境に身を置くクローゼットなローレルと比較的オープンな生活をしてるステイシーは考え方も対局でケンカもする、だけどそれ以上に愛も深くて仲直りもする。
そんなクローゼットだったローレルはステイシーのためになんとかしてお金を残そうと努力をする。そんなローレルに対してステイシーはなるべくストレスをかけずに療養して欲しいと願う(レズビアンであることをオープンにするのはクローゼットのローレルとってかなり負荷がかかる)
恋愛においても権利の求め方においても対比のある二人が足並みをそろえるようになる話運びにはとても感動するモノがあります。
まとめ
実は平等の権利の主張や二人の恋愛の他にも、男性優位な社会やローレルの仕事上のパートナーであるデーンの恋心、保守的な群政委員会の保守的なやり取りなど盛りだくさんな内容なのです。決して長くない時間で詰め込んでいるのでストーリーはシンプルでもかなり充実しています。
また短編ドキュメンタリー「フリーヘルド(Freeheld)」を元に作られた映画なので興味のある方は是非!
ちなみに映画の原題はフリーヘルド(Freeheld)のままだったりします
▼こちらは短編ドキュメンタリー「フリーヘルド(Freeheld)」の予告編▼