ある少年の告白000


内容紹介

全米が驚愕したひとりの少年の告白
NYタイムズ紙がベストセラーに選んだ“衝撃の事実"

僕は僕でしかいられない―。

ひとりの少年の告白により、アメリカを驚愕させた“衝撃の事実"とは
NYタイムズ紙のベストセラーに選ばれ、全米を揺るがせた[実話]を映画化。

原作は、作者自身の体験をもとに同性愛の矯正施設を告発したノンフィクション。
魂を殺されかけながらも、ありのままの自分でいることを選択した息子と、息子への愛に苦悩し葛藤する親。彼らが見出す一筋の希望に胸が熱くなる、センセーショナルなストーリー!

社会に抗い自分らしく生きる主人公を描いた傑作として注目。

ある少年の告白002
『ある少年の告白』より

【ストーリー】
アメリカの田舎町。牧師の父と母のひとり息子として愛情を受けながら、輝くような青春を送ってきたジャレッド。彼は、あるきっかけから自分が同性愛者であることに気づく。

戸惑った両親は矯正セラピーへの参加を勧めたが、それは、〈口外禁止〉だという驚くべきプログラム内容だった。

自らを偽って生きることを強いる施設に疑問と憤りを感じ、ジャレッドは遂にある行動を起こす…。

感想

この「ある少年の告白(原題:Boy Erased)」実話で同性愛の矯正施設の話となんともセンセーショナルな映画です。

日本も決して同性愛に対して全面的に友好かと言われたら違いますが、それでも同性愛を罪だとか同性愛矯正施設なんてのはほぼほぼ皆無なので、実話と言われてもまるでファンタジーのように感じてしまいました。

物語のメインは同性愛矯正施設の恐るべき実態なのですが、私はジャレットの両親がどう息子がゲイであることを受け入れるか、そもそも受け入れられるものなのか…という微妙な感情の動きが素晴らしく表現されていたのでとても見入ってしまいました。

同性愛矯正施設の実態

私自身は同性愛矯正施設なんて大昔の話でしょ?と思っていたのですが、作中は2004年の話で割と最近で驚き。

この矯正治療は科学的根拠がないだけでなく、鬱や深刻なトラウマをもたらし、自殺率の高さも指摘されたため、実際に規制もされいるそうです。

2014年には当時のオバマ大統領が矯正治療をやめるよう声明を発表し、アメリカの一部の州では禁止する法律も成立しました。しかし現在もすべての州で禁止されているワケではなく、これまでに矯正治療を受けたLGBTQは約70万人(未成年のうちに受けたのはその半数の約35万人)にものぼっているそうです。

治療を選択する父と受け入れる母

主人公ジャレットの家族は宗教的な理由で同性愛に対してはかなり否定的、おまけに父マーシャルは牧師さん。

マーシャルは夢や思想から息子が同性愛者であることを受け入れられず、治療するという選択肢を取ってしまいます。それにはジャレットの母ナンシーも同意。

しかし施設からの息子のSOSがあってもそれは揺らぐことなく、治療するという選択肢を曲げられないのです…ここらへんの父親としての想いは物語終盤に語られます。

その反面母親ナンシーは息子のためにと奮闘します。母は強しとはまさにこのことだと思いました。「恥を知りなさい!私もね」と言い放ったナンシーはカッコよかったです。

ある少年の告白001
『ある少年の告白』より

まとめ

「セクシャリティとは選択の問題ではないですし、治すものでも学ぶものでもありません。しかし幸いにも受け入れるということは、学べたり、やり直せるものなのです」

監督・製作・脚本・出演までを手がけたジョエル・エドガートンがそう言ってるようにこの物語は「受け入れる」話だと思います。

自身のセクシュアリティやジェンダー、自分と相手の想いや考え、いろんなことを受け入れるからこそ知れることもある。もちろんダメだったら拒否することも選択肢であることも描かれています。

最後にエンドロールはちょっと衝撃でしたwと同時に変に納得してします自分もいたりします。その衝撃はぜひ見て知ってもらいたいです

▼ある少年の告白(予告編)▼

【関連記事】
【美しくも儚いひと夏の恋】君の名前で僕を呼んで【映画】
【短い時間に見どころたっぷり!】レインボーなショートフィルム5選【動画】
【ブラジル発のキラキラ青春映画】彼の見つめる先に【映画】
【思春期の熱い思いと残酷な冷たさ】ハートストーン(Heartstone)【洋画】
【平等の権利を求めて】ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気【洋画】