カランコエの花000


あらすじ

ただ、あなたを守りたかった。

いくつもの思いやりが、ひとりの心に傷をつけた

とある高校2年生のクラス。ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた 。

しかし他のクラスではその授業は行われておらず、生徒たちに疑念が生じる。「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」生徒らの日常に波紋が広がっていき…

思春期ならではの心の葛藤が起こした行動とは…?

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭グランプリ受賞!グランプリ6冠を含む、計13冠受賞の話題作!LGBTを当事者ではなく周囲の目線で描く近年社会問題として国際的にもメディアで多く取り上げられている「LGBT」。当事者ではなく “取り巻く周囲の人々”にフォーカスを当てることで、彼らの過剰な配慮によって 翻弄されていく当事者を描く、今までにない視点の映画作品。

感想

どの学校でもありうる「犯人探し」にフォーカスを当てたような作品で、実際にLGBTsの授業を行った学校では大なり小なりこの映画のような「誰がLGBTだ」とまるで犯人探しのようなことが起こりうるそうです。

またLGBTsがテーマの場合多くはその当事者が主人公であることが多いのに対してこの作品は「周囲の人」にという視点も面白く感じました。

カランコエの花001
『カランコエの花』より

思いやり生んだ悲劇

いくつかの思いやりが今回の悲劇に繋がりる描写があります。

養護教諭は打ち明けてくれた生徒の力になってあげたいとLGBTsの特別授業を開きますが、その結果クラスでは犯人探しのようなものが始まり打ち明けてくれた生徒をも追い詰めてしまいます。

そして偶然その当事者が誰か知ってしまった生徒もなんとか力になってあげたいと思い悩むうちに、他の人にアウティング好意をしてしまいます。

そしてクラス中に当事者が知れ渡ったとき、主人公はイジメに繋がるのではと判断してか事情を知っていながら「違う」と当人を否定してしまいます。

他にもいくつか善意がこの悲劇の連鎖に繋がる描写がとてもやるせなさを感じました。

どうして悲劇は起こったのか

割と個人的にはここが衝撃だったのですが、養護教諭は何故クラスでLGBTsの授業をしようと思ったのか…もちろん打ち明けてくれた生徒のために動いてやったことですが、それは最後の最後エンドロールになって分かります。

そのエンドロールはただ養護教諭と打ち明けてくれた生徒の会話だけ……その会話からはとても今回の悲劇につながるような会話には聞こえないのです。しかもその会話はLGBTsの授業のほんの数日前。

「また話聞いて」

生徒が養護教諭に言った言葉がとても虚しく感じました。善意による悲劇の連鎖ってこんなに簡単に起こりうるのかと。

まとめ

カランコエの花言葉は「あなたを守る」だそう。主人公の子は養護教諭は守るつもりで動いてても守れなかったとも言える作品ですが、そこまたリアリティを感じていしまいます。

今回の映画LGBTsの当事者には取材をせずに制作したそうですがその分、すぐ起こりうる悲劇だし、また見る人によってもいろんな角度の感想が飛び交うだろうと感じました。

短い映画ですが「あなたを守る」とはいったいどういうことか…考えさせられますね。

▼『カランコエの花』予告編▼

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