彼女とカメラと彼女の季節


あらすじ

高校3年生になった春、深山あかりは、代わり映えしない日常と窮屈なトモダチ関係に、違和感を覚えていた。

しかし、二眼レフを携えたクールな美少女・仙堂ユキと出逢い、くすんだ毎日が、とたんに輝き始める。

奔放なユキに振り回されるうち、あかりの「好き」という気持ちは次第に高まっていく……。

かのかめ04
『彼女とカメラと彼女の季節 2巻/月子』より

感想

同性のユキに恋愛感情を抱くあかりと、そんなあかりに積極的に好意を示す凛太郎、内に情熱的な感情を抱きつつもそれには無自覚なカメラ女子ユキという三角形のお話です。

思春期の危なっかしさや葛藤や甘えなど、独特の濃密な時間をカメラと写真というアイテムを据えてとても見応えのある作品で思います。

それでいて展開は二転三転しつつスピーディーなので全5巻飽きなく読めると思います。

かのかめ02
『彼女とカメラと彼女の季節 5巻/月子』より

少年少女の小さな成長

タイトルにある通りカメラがキーアイテムになっていて、表面的には取り繕っても写真にはその情熱的な内側が写し出されてしまう女の子たちが躓き泣きじゃくりながらも成長していきます。

とくにあかりは何というかすごく自分勝手でわがまま、泥臭くもあるその姿勢はとても綺麗なものではない感情です。

ユキは無自覚な想いを写真に表しつつもそれに気づけない…というより気づかないようにしている少女。故にあかりと凛太郎をかなり振り回します。

2人ともそこから大きく成長はしません、ホントにホントに小さな成長です。ちゃんと自分の気持ちを伝えるようになったとか、そんな小さな成長。それがとても尊いものなんだと思います。

個人的にはそんな2人に振り回され、寄木となってた凛太郎は可哀相な不憫な…それでいて彼自身も成長できるきっかけだったのかなって思います。

かのかめ03
『彼女とカメラと彼女の季節 2巻/月子』より

まとめ

彼女とカメラと彼女の季節は全5巻なのでさっくり読めます。キラキラだけじゃないドロッとしたようかカラッとしたような2人の女の子と1人の男の子の恋愛を楽しめるそんな作品です。

また作中には作中登場カメラの解説「カノカメコラム」や描き下ろし4コマ漫画などおまけページも充実していて楽しいです

かのかめ01
『彼女とカメラと彼女の季節 3巻/月子』より


【関連記事】
【無性別の美しくも残酷な三角形】性別「モナリザ」の君へ【漫画】
【自己肯定の物語】しまなみ誰そ彼【漫画】
【淡く切ない三角関係】青のフラッグ【漫画】

【ノンセクシュアルの恋】初恋、カタルシス。【漫画】
【男装女子×女装男子】逆装ランデヴー【漫画】