Love,サイモン 17歳の告白
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あらすじ
サイモンは両親と妹の明るい家族に囲まれて暮らす普通の高校生の男の子。しかし、実はゲイであるという秘密を抱えていた。ある日、学校に匿名のブルーというゲイの同級生がいることを知ったサイモンは、思い切って連絡を取る。メールを通じてブルーに惹かれていくサイモンは、一体誰がブルーなのか気になり始める。
ブルーとメールで連絡を取り合うようになったサイモンだったが、そのメール履歴を見た同級生にサイモンの女友達との恋の橋渡しをしろと脅されてしまう。
感想
17歳の少年が自分のセクシュアリティに悩み、脅されドツボにはまっていく様はドキドキしながら見ていました。原作は「サイモンvs人類平等化計画(Simon vs. the Homo Sapiens Agenda)」という変わったタイトルの小説。日本でいうところのライトノベルのような軽い小説のようです。
本作はとにかく青春要素が強めでキラキラ。秘密を抱えた男の子が、友人に囲まれ、恋をする。そんな普遍的な青春映画です。
映画『Love, サイモン 17歳の告白』より
何故ゲイであることを隠すのか
何故サイモンはゲイであることを隠すのか。理解のありそうな両親や友人に囲まれ、学校ではゲイをカミングアウトしてる生徒もいる。地域的にも極端な差別的なことは起こらなさそう(ジョージア州アトランタは多様性に富んだ地域)
もちろん、友人が離れて行ってしまったら、という恐怖もあったようですが、それ以上に「今まで築き上げてきた(ストレートな)自分」を壊してしまう事や「ストレートな人はカミングアウトの必要がない」といった不公平感から来るものだったようです。
カミングアウトに関してサイモンは結構なるほどと思わせることを言っているのですが、個人的には元カノから「私が男っぽいから付き合ったの?」という問いに「君が男じゃないから別れた」という返しは面白かったです。
そういったサイモンのカミングアウトに対する姿勢も本作の見どころです。
映画『Love, サイモン 17歳の告白』より
サイモンの恋模様
メッセージのやり取りを通じてブルーに恋い焦がれていくサイモン。メッセージだけのやり取りなので本名も顔もしらない、だけど惹かれていく。そんなブルーは誰か?というのも本作の見どころ。要所要所のサイモンの妄想がおもろいです。なんとなくイマドキのこだなあと思ってしまいます。
個人的に好きだなって思ったのはサイモンとブルー、無意識だけどお互いがお互いの背中を押してるのが、キュンキュンポイント。もう両想いだろそれ!って言いたくなる感じが好きですw
映画『Love, サイモン 17歳の告白』より
まとめ
これまでカミングアウトとと言えば「受け入れてもらえなかったら社会的な死」なイメージでしたが、本作ではそうではなくカミングアウトは「これまでのクローゼットだった自分との決別」という感じ。それはそれでとても勇気のいることです。
サイモンが作中でカミングアウトに対して「いつどうやってどのタイミングでカミングアウトするかは本人の権利」と言っておりまさにその通りだなと思いました。
物語全体はキラキラな青春物語ですが、そういったカミングアウトに対するメッセージ性も素敵な作品でした!
▼映画『Love, サイモン 17歳の告白』予告編▼
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