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あらすじ

トランスジェンダーの少女ララの夢は、バレリーナになること。女生徒としてバレエ学校に転入し、厳しいレッスンについていくが、慣れないトウシューズが彼女の脚を痛めていく。
 
それと同時に、心と体の不一致を解消するため、性別適合手術の準備を始めるララと父親のマティアス。2年後の手術に向け、ホルモン治療を始めるが、ララの期待と裏腹に体には目立った変化が現れない。
 
「焦らないで、ゆっくりいこう」と、理解ある父親はララを諭すが、バレエレッスンの度にレオタード姿になるララにとっては、「男性」の体でいることは、苦痛でしかなかった。
 
同世代の少女たちの中で、少年の体でレッスンを続けなければならないララは、一人孤独と戦い、葛藤する。追い詰められたララの心は、彼女を思わぬ方向へ向かわせていく。
 
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映画『Girl/ガール』より

感想

バレエに限らずスポーツは明確に男女に差がはっきりしていることが多いですが、こちらの作品は15歳のララがトランスジェンダーでバレリーナに憧れるというもの。そのために難関のバレエ学校に入り、文字通り血の滲む努力しています。
 
それと並行して性別移行も進めています。現段階ではカウンセリングとホルモン治療のみで性別適合手術に向けて動いているといった感じでしょうか……。それに加えてララは幼い弟の母親役のようなことまでやってるので見ていてキャパオーバーだなと感じました。
 
トランスジェンダーとスポーツと言う事にも着目しがちかもですが、個人的にはララの性別移行中故の危険信号を発せられない状況にとても苦しく思いました。
 
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映画『Girl/ガール』より

ララの危険信号

作中ララは基本的にいい子です。「大丈夫?」と聞かれれば「大丈夫」としか答えない、ただ質問している父もその「大丈夫」が「大丈夫じゃない」ということは分かっているが、どうすることもできない歯がゆさを感じている感じです。
 
こんな感じでララは危険信号は発せられないで周りに助けを求めることもできず…というよりもどう危険信号は発して、どう助けを求めればいいか分からない。そんな状況です。
 
何故、ララはそんな状況になったのか。これは個人的には性同一性障害の治療故の弊害みたいなものだと思ってます。
 
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映画『Girl/ガール』より
 
身体的性別移行をするには心身ともに問題ないとしなければなりません。ストレスが強くかかっていたりするとメンタルケアを優先されて性別移行が伸ばし伸ばしになることが多いのです。だから多少わだかまりがあっても「大丈夫」と言ってしまうのです。
 
また自分のせいで引っ越した、父の仕事場が変わった、弟も転校した。そういった思いもストレスに感じるがそれを吐き出せない。嫌がらせにあっても吐き出せない。恋愛の強要もイヤだと強く言えない。そんな感じでどんどんストレスが溜まりがちになってしまうのです。
 
そして周りもララのSOSに気づいていてもどう手を差し伸べていいか分からないという悪循環を「ガール」は見事に描き切ったなと思いました。
 
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映画『Girl/ガール』より

トランスジェンダー配役問題

ハリウッドなど海外ではドラマや映画の主演級の役柄にLGBTQ俳優が抜擢されることも増えてきました。トランスジェンダー役をトランスジェンダーがやる機会も増えてきました。
 
そのため「トランスジェンダーの役はトランスジェンダーがやるべき」「トランスジェンダー役をシスジェンダーにやらせるのはトランスイレーザーだ」という論調も高まっています。
 
トランスジェンダー役をトランスジェンダーさんが演じた作品と言えば「ナチュラルウーマン(チェコ映画)」とか日本のドラマ「私が私であるために」ですかね、主役だけじゃなく脇役でもそういった配役が見られることもあります。
 
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映画『Girl/ガール』より
 
本作『Girl/ガール』ではトランスジェンダーの少女ララ役を演じるのはシスジェンダー男性のバレエダンサーであるビクトール・ポルスター。なのでトランスジェンダー役とトランスジェンダーじゃない男性が演じたことがちょっとした批判の的になりました。
 
私個人の意見としてはシスジェンダーではトランスジェンダーの真実は描けないなんてことは全く思っておらず、トランスジェンダー役をトランスジェンダーが演じたからってトランスジェンダーの真実が描けてるとは限らないと思ってます。
 
なんといってもヴィクトールのララのあの繊細な演技とバレエパートのダンスは素晴らしかったですし、配役ピッタリだと思いました。

まとめ

この作品は実在するノラ・モンセクールというダンサーがモデルとなっています。彼女はトランスジェンダーであるとカミングアウトし、自身の通うバレエ学校の男子クラスから女子クラスへの編入を求めたが学校側からは拒否されたそうです。そのニュースを見た監督が彼女の勇気に感動して本作が出来上がったそうです。
 
本人にヒアリングしただけあってバレエ描写性別違和描写もなかなかによく描けてると思います。
 
▼映画『Girl/ガール』予告編▼


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