ぼくは性別モラトリアム


あらすじ

日本には、左利きやAB型と同じぐらい、LGBTがいる。世の中は男と女の二択だけではないし、そもそも自分に性があることがイヤな人もいる……。

女性であることに違和感を持ち、「男になりたいんだ! 」と思い込んでいた。でもよく考えてみたら、手術をして性別を変えたいわけじゃないし、男性として何かをしたいわけではない……。
あれ?ぼくはLGBTなの?それとも……?

自分はいったい何者なのか。悩み考えた道のりを描いた実録漫画。

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『ぼくは性別モラトリアム/からたちはじめ』より

感想

筆者であるからたちはじめさんが「性別とは何か?」「自分の性別は何なのか?」と模索しつづけるコミックエッセイです。

性別についてここまで悩んだり模索したりっていうコミックエッセイは珍しいかもしれません。多分性別について考えたことがない人は「え?こんなことで悩むの?」って思うかもしれませんが、悩みます!

私自身、性自認やら自分の望む性やら、性的指向やらかなり悩みましたので、この書籍で「性別って悩むことなんだよ」と知れるだけでもありがたいです。

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『ぼくは性別モラトリアム/からたちはじめ』より

性別の猶予期間

第1章「男になりたい!」 第2章「ぼくはLGBTなのか?」 第3章「男になりたい、わけではない…?」と分かれており、とくに第1章から第3章の考えに至るまでの過程も、本人の悩みとともに楽しめる作りとなってると思います。

「性別について悩む」に至るまでどういった経緯があったのか、そこにはどういう思いがあったのか、それを見事に紐解きながら、自分のいろいろな性を決定していき、そして「モラトリアム(猶予期間)」と決定づけるまで、とても分かりやすく記されています。

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『ぼくは性別モラトリアム/からたちはじめ』より

まとめ

「性別って悩むこと」といったことにスポットをあてた作品はなかったので、それだけでも十分読みごたえのある作品だと思います。

もし性別について悩んでいる人がいたらとても力になれる一冊になるのではと思いまし、逆に「性別なんて悩むものじゃないでしょ?」って思ってる人にも「こういったこともあるのか」と知れるきっかけになりうる作品です。

絵もシンプルでとても読みやすいので、性別について考えたいという人はぜひ!

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