ハッシュ!


あらすじ

奔放なゲイライフを送るペットショップで働く直也、ゲイであることを周囲に悟られないように暮らしている土木研究所で働く勝裕。

2丁目で出会い交際を始めたふたりの前に、ある日、歯科技工士をしている朝子と言う女が現れる。

人と触れ合うことを諦め、愛の無いセックスを繰り返す日々を送っている彼女は、勝裕がゲイであることを知った上で、彼の子を妊娠したいと相談を持ちかけてきた。幼くして父親を亡くしていた勝裕は、自分が父親になれるかもしれないことに興味津々。

初めは激怒していた直也も彼女の真剣な態度に次第に理解を示し、やがて3人は子供を持つことに前向きに取り組んでいく。

感想

『渚のシンドバッド』『ぐるりのこと。』『恋人たち』など、数々の名作を生み出してきた橋口監督作品です。

ゲイの男性に妊娠したいから父親になってとお願いをする女性とそのゲイカップルの話って聞くとかなりぶっ飛んだイメージですが(実際朝子は結構ぶっ飛んだ性格をしてる気がします)、実際はそれぞれがそれぞれに考えての行動で、それが面白くもあり、納得できることでもありました。

あと勝祐と直也、朝子の3人の子気味いいやり取りは見ていて楽しいです。

ハッシュ!001
映画『ハッシュ!』より

親になるということ

個人的に感じ取ったテーマは【親】かな?と思います。

朝子は過去の奔放な性生活が原因で将来的に自分の子を身籠れないかもしれない、そんな朝子に提案され父親になれる可能性に期待する勝祐、ゲイである自分が親になると言う事を最初から諦めている直也。三者三葉の「自分自身が親になる」ということを漠然と考えるようになります。

また3人の親もまた特徴的で、朝子の親は無関心で作中のセリフから幼い頃は抱きしめられたことがなかったそう。勝祐の父親は早くに亡くし、兄と兄嫁が親代わりのような感じに。直也の母親は過干渉で、ゲイである息子を受け入れているようで受け入れていない感じ。

子どもにとって親はどうあるべきか、というのを考えさせてくれます。そんな中、朝子は一生懸命に血のつながりや戸籍という意味の親ではなく、自分が家族という意味での親になるかを模索していきます。

そう考えると「親になる」って物凄く大変なことなんですよね。

まとめ

今作では同性カップルが出てきますが、直也がややヒステリックながらも勝祐とケンカして仲直りして、朝子の提案にもモヤモヤしつつも、勝祐が真剣にまじめに考えるからこそ、まじめに考えてあげようとする様が個人的に好きだったりします。

直也はどこか自分自身に対して諦めを持っているようで、親になるということに前向きに一生懸命考える朝子と勝祐に迷い戸惑うけれど、ちゃんとゆっくり受け入れようとする感じがなんか良いと思いました。

そういった心の揺れ動きとか揺さぶりを得意とする監督さんなのでそこらへんにも是非注目してもらえたらなと思います。

▼映画『ハッシュ!』予告編▼

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