ダラス


あらすじ

1985年ダラス、電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフは「エイズで余命30日」と医師に宣告される。
 
当時まだエイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思い込まれており、無類の女好きであるロンは診断結果を信じようとしなかったが、詳しく調べるうち、異性との性交渉でも感染することを知る。しかし、友人や同僚たちに疎んじられ、徐々に居場所を失っていく。
 
ロンはアメリカではエイズの認可治療薬が少ないことを知り、効果の高い未承認の治療薬を求めて国外へ向かう。世界各地で治療薬を入手したロンは、レイヨンと共に未承認治療薬を国内で捌く「ダラス・バイヤーズクラブ」を立ち上げる。
 
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映画『ダラス・バイヤーズクラブ』より

感想

2013年アメリカ映画。実在の人物であるロン ・ウッドルーフをモデルにして作りあげた作品で、全米を相手取り、当時のHIV患者のために奔走する彼を力強く描いた映画です。
 
見どころはエイズの治療薬をめぐって奔走するロンだと思いますが、個人的にはロンがゲイやトランスジェンダーといったLGBTQの人々と手を組み打ち解けるようになる様が見どころのひとつだと思っています。
 
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映画『ダラス・バイヤーズクラブ』より

ホモフォビックなロン

まだまだ同性愛差別が強い時代でエイズ=同性愛者の病気だと思っていたロンも同性愛差別的思想を持っていました。
 
後のビジネスパートナーであるトランスジェンダーのレイヨンにも最初は嫌悪感丸出し、同性愛相手に商売するもその丸出しの嫌悪感から仕事にならずといった具合。
 
しかしレイヨンと仕事をしていき、仕事上いろんな同性愛やトランスジェンダーと接するうちに嫌悪感はまだあるものの打ち解けあい、同性愛差別をする人にも牙をむくようになります……それでも嫌悪している部分が人間味があって良い。
 
そして終盤になればなるほどロンとレイヨンをはじめとした同性愛者たちの関係が素晴らしいものになっています。
 
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映画『ダラス・バイヤーズクラブ』より

まとめ

「自分の利益のため」製薬会社もロンも同じ気持ちでした。ただロンはその「自分の利益のため」が巡り廻って結果的に他者を救ったことです。ロンは文字通り命がけでしたしね。
 
エイズ患者であるロン・ウッドルーフを演じるため、マシュー・マコノヒーが21kgの減量の末に挑んだ役作りは当時大きな話題を呼びました。そしてトランスジェンダー役を見事に演じきったジャレット・レトの演技も見事です!
 
▼映画『ダラス・バイヤーズクラブ』予告編▼
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