あらすじ
身体は女、心は男。自分の性別に悩む高校生の凌。2年生になり、スカートを強制されることに嫌気がさしていた頃、彼のクラスに派手な恰好をした留年生・迅が現れる。ヒゲを生やし、ピアスを空け、長い髪を一つに纏め、自由奔放に生きる姿は自分とは真逆そのもの。翌日、凌のもとにやってきた迅はこう言うのだった。
「俺と一緒にブランドやんねェ!?」
名もなき少年たちによる、革命を起こす服づくりが始まる!!
漫画『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』より
感想
トランスジェンダーの少年(FtM)を主人公にした話題作です。性差のはっきり分かれる学生服で悩み、私服のメンズファッションを楽しむ陵。「服は自分らしく生きるための物」という迅の言葉から服飾ブランドを2人で立ち上げるというストーリー。
カメラマンやらインフルエンサーやら仲間にしていく様は少年漫画のようなストーリー運びで、困難はあれどテンポよく進むので読みやすいです。またキャラクターたちも魅力的で特に破天荒な迅はとてもキャラが立っていて、ただ破天荒じゃない、猪突猛進で男気溢れるカッコイイ、それでいて相手を気遣える魅力的なキャラです。
性的マイノリティ要素だけでなくそういったところもこの作品の魅力だと思います。
漫画『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』より
トランスジェンダー描写
作中のトランスジェンダーの陵は、身体的性別違和よりも社会的な性別違和が強く、とりわけ服に対しての違和感が強いみたいです。そのため、学校ではジャージで過ごしたり、プライベートはメンズファッションを楽しんだり、バイト先も性差がないユニフォームがあるところを選んだりしています。実のところトランスジェンダーのエピソードはこのくらいで、あとは性的指向についてとカミングアウトが少しある程度です。トランスジェンダーの物語にありがちな、自分の体について悩む的なのはほとんど見られません。
トランスジェンダーの苦悩だけがテーマではなく、服飾ブランドを取り巻くテーマなので、そちらに注力したのかなと思います。
しかしながらカミングアウトやアウティング、Ⅹジェンダーまでも触れていて、特にカミングアウトorクローゼットは当事者同士であっても結構モメるポイントも描写されていて良かったです。
漫画『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』より
まとめ
性的マイノリティのことを絡めながら、服飾ブランドのルートも進めなきゃでストーリー運びは大変だっと思います。サクセスストーリーでありながら、特に服飾ブランドルートはそんな簡単に上手くいかないを地でいってる感じで、もう少し陵たちが成功するヴィジョンが見たかったですね。【服】というのはそれだけで自分を縛るものですが、それと同時に自分を自分らしく仕立てるものであるのだと改めて気づかされました。
彼らはまだ夢半ばですが、いつかファッションブランドが成功しその服で革命を起こすことを期待したいです。
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