10th


あらすじ

幼なじみの彼女と俺は同じ男の子に恋をした

喘息で学校を休みがちだったタケ。

ある日発作が起きたところを同級生のまっちゃんに助けられたことがきっかけで、彼と少しずつ親交を深め、いつしか自然と惹かれていく。

そしてタケの幼なじみの梅子もまた、まっちゃんの優しさに触れ、彼を好きになっていって…。

幼なじみ二人とクラスの人気者による、ちょっぴりビターな三角関係の行方は!?

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漫画『10th』より

感想

幼馴染の男女がひとりの男性を好きになるという三角関係。同性愛が絡む三角関係ではありがちな設定ですが3人の関係がもどかしく、またティーンエイジャーならではの揺れ動きも見事に描かれてい、どこか温かいような、それでいて切なくなるような作品です。

何よりも3人のやりとりが可愛らしいんですよね、高校生って妙に大人ぶってるところも含めてこんな感じだなと思います。特にメインの3人(タケ、まっちゃん、梅子)以外の鮫島、蔵之介、椿の3人が高校生の割に大人なので、メインの3人が等身大に見えます。

そして何よりもみんな自分のことだけでも大変なのに自分以外のことにも一生懸命なのもキャラが魅力的に映る要員なのかもしれません。

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漫画『10th』より

心地よい三角関係

同性に恋したタケ(竹内翔太)は、同性に恋したことに悩むということはほとんどなく、打ち明けずにいればずっと側にいられるという考え、梅子(梅沢晴子)とのライバル関係にも心地よさを感じている。

梅子も仲良し3人組という関係性が心地よいので自分からは特にアプローチしたりせず、幼馴染兼恋のライバルと好きな人以上を特に望んでいない感じ……まっちゃん(松木陽平)の心情は終盤まで描かれないので、定かではないですが、絶妙なバランスで居心地の良さをキープしている三角関係でした。

三角関係というと誰かが辛い思いをして誰かが我慢して…っていうのはセオリーなのですが、この作品の場合、3人が3人でいることがとても心地よいんですよね、だから崩れそうになったらそれぞれが一生懸命修復する…そんな不思議な三角関係。

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漫画『10th』より

まっちゃんの出した答え

そんな居心地の良い三角関係もクラスメイトの蔵之介の発言で修復不可能レベルで崩れ(というよりよく今まで崩れなかったなレベル)、物語は急展開します。

ラストのまっちゃんの返事はとても印象的です。それと同時に今までほとんど語られることのなかったまっちゃんの心情が吐露されます。それまで語られなかった分、まっちゃんの純粋な感情が押し寄せてきて、まさに「こんな嬉しい言葉あるか?」という気持ちになります。

あんな風に大切な人に思ってもらえるタケと梅子は本当に幸せ者だと思います。

そしてタイトルの【10th】の持つ意味を知り、カバー下まで見てぶわっとなんとも言えない感情が押し寄せてきます。絶妙なバランスで保っていた三角関係は実はすごくアンバランスで崩れやすく、そして新しく出来上がった3人の関係がとても素敵です。

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漫画『10th』より

まとめ

3人の友人で同級生の鮫島あおい、結城蔵之介、一条椿の3人にも物語があります。メインの3人ほど大きく描かれませんが、そんなバックボーンがあるからこそ、特に蔵之介は松竹梅の3人にそれとなく助言したりできるのだと思わせてくれます。

まっちゃんはこんなの絶対好きになるやんっていうくらい人間ができてて、梅子は不器用ながらも一生懸命で、タケは我を通すけど自分を犠牲にしがちで……みんないい子だから誰も不幸にならないで!なんて思いながら読んでいましたが、個人的には満足の結末です!


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