あらすじ
ある月食の晩。エヴァとロッコ夫妻が友人達を夕食に招待した。
集まったのは幼馴染の親友である2組の夫婦と1人の男、全員で7人。美味しい食事にお酒も入り話が弾むが、ふとエヴァが提案する。
「私達本当に親友かしら?お互いが信用できるなら携帯電話を見せ合わない?」
スマホの着信やメールを、本人の代わりに妻や親友がチェックするという、前代未聞の危険なゲームが始まった!
人の不幸は蜜の味とばかりにそれぞれの秘密を笑っていると、いつしか手に汗握るサスペンスフルな展開に。
感想
イタリア発のブラックコメディ映画。韓国や日本でもリメイクされたケータイと秘密というなんとも危険な要素しかない映画です。作中では次々に登場人物の秘密が暴露されて、男女7人がどんどん険悪になっていくストーリー。秘密というのはいろいろあって、浮気、エッチなメールのやりとり、義母問題、反抗期の娘のこと、カウンセリングのこと、こっそりしていた仲間外れのこと……などなど。
基本的に会話劇なので、常に登場人物がしゃべっていて、かなりスピーディーなテンポ、そして次々に明らかになるみんなの秘密がまるでひとつのアトラクションのようです。
映画『おとなの事情』より
リメイク版
本作はインド、韓国、メキシコ、スペインと様々な国や地域でリメイクされていて、日本でも『おとなの事情 スマホをのぞいたら』のタイトルで2020年にリメイクされています。▼映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』(日本リメイク版)予告編▼
こちらはイタリア版から日本風にアレンジされていて、ラストもちょっと違いますが、日本ならではがあって面白いですので、ぜひ。
ペッペの秘密
本作ではペッペという冴えないバツイチ中年男性が登場します。他の男女6人は夫婦で、ペッペだけ唯一パートナーがいない状況です。恋人も参加予定だったものの、熱を出し不参加で、他のメンバーは誰もペッペの恋人を見たことがない状況でした。ペッペはみんな(特に男性陣)から除け者にされがちで、からかい……というよりも最早蔑みの対象という感じでした。
映画『おとなの事情』より
ペッペがみんなに言っていない秘密は【ゲイ】であること、そして【恋人は男性】であること。そしてレレ(倦怠期夫婦の夫)の提案によりケータイをトレードしてしまったため、レレにゲイ疑惑がかかります。
その時のレレに対しての周りのリアクションは差別的なものでした。妻から親友から蔑まれ、ペッペが「ホモは俺だ」と言われるまでひどい言葉をかかられました。
その時も「なんで黙ってた」と問い詰める友人にレレは「たった2時間ホモだっただけであの扱いだ。言えるわけない。」と言い切ります。ペッペはもちろん、レレも妻や友人たちのゲイへの侮蔑的な感情に落胆したのですね。
映画『おとなの事情』より
まとめ
蓋を開いてみれば、みんな秘密だらけ。まさにケータイはブラックボックスなんですね。こんなゲーム絶対にしたくないって思いました。ただ仲良しだと思われた男女7人が秘密を共有したことでバラバラになるのですが、ここまでの秘密を抱えて仲良しでいたいかなぁとは思います。
浮気とか絶対ダメなヤツもあるけど、カウンセリングに通ってた、妻には内緒で娘に協力してた、ゲイだった……こういうのも言えないとなると本当に仲良しなのか。秘密を持ってしても友人関係でいたのか……分かりません。
ちなみに原題は「Perfetti sconosciuti」で日本語だと「赤の他人」ってことでしょうか……男女7人の仲良しグループのタイトルに赤の他人とはなかなかに皮肉が効いてて面白いですね。
▼映画『おとなの事情』予告編▼
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