EDEN


あらすじ

新宿のショーパブ「エデン」で働く、店長兼演出家のミロは仲間の従業員兼ダンサーたちと度々ケンカしながらも、仲良く日々を過ごしている。

今日はミロの42回目の誕生日。そんなお祝いの日に仲間のノリピーがミロの部屋で死んでしまう。第一発見者として警察署で事情聴取を受けたミロは、心無い刑事たちの侮蔑を含んだ質問に傷付いて、グッタリしてアパートに帰ってくる。

複雑な思いで迎えた誕生日の夜、「エデン」に集まった仲間たちはいつになくしんみりと身の上話を語り出す。そしてエルメスの提案で、一同はノリピーの遺体をトラックに載せ、実家のある千葉の鴨川まで“送り届ける"無謀な計画を立てるのだが。

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映画『EDEN』より

感想

本作はの原作は船戸与一の短編小説「夏の渦」を映像化した作品。

新宿2丁目のショーパブ「EDEN」を舞台に、同性愛者、ニューハーフといった社会におけるマイノリティの生きざまと葛藤を、コミカルかつ温かな目線で描いていますが、偏見の目や無理解、死後の問題など、かなり重めのテーマを扱っています。

舞台となるショーパブ「エデン」も新宿二丁目のクラブでロケをしているので、リアリティーと艶やかさを増しています。

メインの役者陣が思っていたよりもいい演技をしていて、オネエ特有のコミカルさだったり、マイノリティ特有の闇であったりと、演技の喜怒哀楽がはっきりしていて楽しいです。

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映画『EDEN』より

勇気づけられるオネエたちの行動

いわゆるオネエたちがいろんな壁にぶつかって、それをコミカルに吹き飛ばす……といったお話ですが、実際はそんな感じで笑い飛ばせるのって簡単じゃないよなーと思います。それと同時にそのポジティブさは見習いたいものがありました。

また全体的にコメディチックで「え?そんなのアリ?」って思うこともあって、リアリティとは別の感じがしますが、そのオネエたちならやってのけそうという謎の安心感もあります。

そういった前向きさは観ていてとても勇気づけられます。

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映画『EDEN』より

まとめ

LGBTQ以外にも沖縄米軍、レイプ、貧困、ストーカーなどなどかなりいろいろなテーマが詰め込まれていますが、個人的には詰め込みすぎ感が否めなくて、その割に掘り下げもあまりないのがちょっと残念かなと思います。

今見るとちょっとLGBTQのステレオタイプなイメージで描かれていているので古く感じましたが、原作が2004年とのことなので、時代を反映するとそんなもんかなと思ったり。

あと個人的に声優の小野賢章さんが出ててビックリしましたw 確かに俳優業もやってるとは聞いてたのですがこの作品でお目にかかるとは思いませんでしたねw

▼映画『EDEN』予告編▼


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