ペイン・アンド・グローリー
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あらすじ
脊椎の痛みから生きがいを見出せなくなった世界的映画監督サルバドールは、心身ともに疲れ、引退同然の生活を余儀なくされていた。
そんななか、サルバドールは昔の自分をよく回想するようになる。
子供時代と母親、その頃移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局。
その痛みは今も消えることなく残っていた。そんなとき32年前に撮った作品の上映依頼が届く。
おすすめポイント
『ペイン・アンド・グローリー(西: Dolor y gloria、英: Pain and Glory)』は、2019年のスペイン映画。監督・脚本はペドロ・アルモドバル、主演はアントニオ・バンデラス。監督のアルモドバルの自伝的な要素が織り込まれた作品です。監督のペドロ・アルモドバルと言えば『オール・アバウト・マイ・マザー』や『バッド・エデュケーション』など同性愛者が登場する作品を多く描いており、今作でも腰の痛みに苦しみ薬物中毒になっていく映画監督サルバドールが同性愛者ですが、そこまで同性愛者要素は強くないイメージです。
男性の元恋人がいて、幼少期に大人の男性に性的な感情を抱く描写があって、でもそれは確かにサルバドールという人物を作り上げた要素ではあるのですが、それだけでなく、母との思い出だったり、映画に対する想いだったりもあるので、そこまで同性愛が重要というわけではない感じです。
映画『ペイン・アンド・グローリー』より
メインは落ちぶれてしまったサルバドールが再起に向けて動き出すという物語で、昔の恋人と話したり、ケンカした俳優と仲直りしたり、病気やドラッグ中毒、過去の脚本と向き合ったりと、徐々に前向きに再出発しようとするさまはとても勇気づけられると思います。
また、色鮮やかな舞台セットも魅力的で、特にサルバドールが住むマドリードの家のインテリアは「稼ぎはこの家と絵につぎ込んだ」とセリフで言うだけあって、華やかで美術館のよう。幼少期の「貧しい洞窟暮らし」も、タイルだったり真っ白な壁だったりが、洞窟なのにとても綺麗で、天井から降り注ぐ太陽光すら色鮮やかに演出してくれます。
▼映画『ペイン・アンド・グローリー』予告編▼
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