青い棘


あらすじ

ベルリンの寄宿学校に通う少年、パウルとギュンター。

家庭環境も性格もまったく対照的な二人だったが、ある“秘め事”のために結束する。

そして、友人たちと訪れた静かな湖畔の別荘。

光に溢れたその場所が、やがて惨劇の舞台となる。

▼映画『青い棘』予告編▼


感想

『青い棘(原題: Was nützt die Liebe in Gedanken, 英題: Love in Thoughts)』は、2004年制作のドイツの映画。1927年にワイマール共和国時代のドイツのベルリンで実際に起こった事件 "シュテークリッツ校の悲劇"を基に繊細な青年達の愛と悲劇を描くロマンスドラマ作品です。

実在の事件をモチーフにした作品と言えば『ボーイズ・ドント・クライ』や『最初で最後のキス』などがあげられますが、こちらも当時のドイツではかなりセンセーショナルな事件だったようです。

湖畔の自然豊かな映像と詩的な台詞ともに叙情的に描かれていてとても美しい映画で、まさに若さゆえの危うさと直向きさが繊細に描かれている感じがします。

青い棘01
映画『青い棘』より

主人公パウルは友人ギュンターの妹ヒルデに恋をし、ギュンターは今は妹の恋人になっている元恋人のハンスに執心し、ヒルデ自身は恋愛や性に奔放でたくさんの男を取り巻きながらもパウルを誘惑し、ハンスとの情事も楽しむ、ヒルデの友人エリはパウルに片想い……という複雑で難解な恋模様が展開されます。

こんな複雑な恋愛模様が繰り広げられながら、事件は意外にもあっさり起こります。目を見張るような演出もなく、本当にあっさり。それがまた、リアルで激昂しているギュンターと少し冷静なハンスの妙なズレを表しているようで印象的でした。

青い棘02
映画『青い棘』より

彼らは大人びてはいるけれど、まだ10歳代。青春真っ只中の時はその時が全てで愛を失ったら、全てを失い、自分自身を否定されたような気になってしまうのは多感な10代あるあるなのもしれない。

しかし妹のヒルデは確かに恋愛や性に奔放で「たくさんの男に愛されたい」といった感じの魔性の女性ですが、映画を見てみると奔放というより、同時に複数人と恋愛関係を築くライフスタイルの「ポリアモリー」なのかなと思ってしまいました。ただ同性愛も含めて当時のドイツでは恋愛事情がどうだったのかでそこらへんも変わってきそうですね。

邦題で「青い棘」と題されたこの作品、まさに青春真っただ中の未熟さと爽やかを兼ね揃えた危うさを持つ感じがして、とても素敵な作品でした!

青い棘03
映画『青い棘』より

【関連記事】
【怪物の正体は】ゴッドandモンスター【洋画】
僕の恋、彼の秘密【映画】
【恋愛の絶望や幻滅】恋人たち【邦画】
【隠された功績】イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密【映画】
【アタシは変わる】ハイヒール革命!【ドキュメンタリー映画】