カケラ


あらすじ

恋人との関係に疑問を抱き始めた女子大生ハルはカフェでカプチーノを飲んでいると、リコというレスビアンのメディカル・アーティストに声をかけられる。

クリーニング屋を営むリコの家に行くなど交流をもつ間に、二人の間には愛が芽生える。

男との関係を清算できないハルを居酒屋で批判するリコ。二人はしばらく絶交状態に。そんな中、リコは自分の顧客である山城陶子をレズビアンバーで発見する。

リコと陶子はしばらく付き合うが、ハルから電話があり、リコとハルが復縁。しかし、世間体を気にせず愛情表現をするリコへの戸惑いをハルは隠せない。そして・・・。

カケラ02
映画『カケラ』より

おすすめポイント

『カケラ(英題:A Piece of Our Life)』は、2010年の映画で、主演は満島ひかりと中村江里子。監督は今作が初監督作品となる安藤モモ子。原作は桜沢エリカの漫画『LOVE VIBES』。

本作はひとつの出会いと別れの経験による主人公ハルをちょっとだけ成長させる物語です。リコとお付き合いをしたりという同性愛ラブロマンスのあれやこれやも含まれますが、それもハルの成長への糧といった感じです。

女性同士の恋愛ものというと『キャロル』のように情熱的な演出やドラマ『アンダー・ハー・マウス』のようにエロティックに描かれることが多いですが、本作ではそういった描写は全カット。

カケラ03
映画『カケラ』より

むしろ小用、生理、ムダ毛、すっぴんなど生々しくもひとりの女性を描き、口淫を彷彿とさせるようなアイスの食べ方やシャワーシーン、ヌードシーンなどは全くエロティックに感じないように作られています。それだけ、ハルの成長の物語を大きく映し出したかったのだと思います。

ただ個人的にキャラを生々しく描きすぎたためにあまり好感の持てるキャラがおらず、みんな自分勝手で意地汚いイメージを感じました、それも人間の生々しさだと言うのなら、この映画は成功かもしれません。

原作紹介


【あらすじ】
昭次と体だけの関係でいた麻子は、ある日、渋谷でミカにナンパされる。麻子は女の子を好きになる気持ちに戸惑うが、自分の正直な心に気づいていく。しかしミカとの恋愛は近づこうとすると距離を縮められず、近づきすぎても埋めらない隙間を感じてしまう繊細で脆く、曖昧なものだった。

カケラ01


原作は桜沢エリカさんによる漫画『LOVE VIBES』です。1990年代後半に発行され全1巻なので読みやすいかもです。

またストーリーやキャラクターも映画では改変されているので、どちらも違った面白さがあると思います。

予告編

▼映画『カケラ』予告編▼


【関連記事】
【社会派サスペンス】私の少女【映画】
【差別と闘う弁護士】フィラデルフィア【映画】
【生きる物語】ロングタイム・コンパニオン【映画】
【辛いこともコミカルに吹き飛ばす】EDEN【邦画】
【自由に生きたい】あしたのパスタはアルデンテ【映画】