ウェディング・バンケット
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あらすじ
台湾人青年ウェイトンは、マンハッタンで恋人のアメリカ人・サイモンと暮らしている。しかし、ウェイトンは台湾に暮らす両親に、自分がゲイであることを告げられずにいた。
そんなことを知らない両親は、ウェイトンに早く結婚するよう催促を繰り返す。一方、ウェイトンの友人で芸術家のウェイウェイは、お金がなく、アメリカ滞在のためのビザの期限も切れようとしていた。
そんなことを知らない両親は、ウェイトンに早く結婚するよう催促を繰り返す。一方、ウェイトンの友人で芸術家のウェイウェイは、お金がなく、アメリカ滞在のためのビザの期限も切れようとしていた。
そこで、サイモンの提案でウェイトンとウェイウェイは偽装結婚することで、ウェイトンは両親を安心させ、ウェイウェイはグリーンカード(永久居住権)を得ようとする。
結婚式は役所で書類を提出する程度で済ませるつもりの二人だったが、ウェイトンの両親が渡米してきて、どうしても台湾式の賑やかな結婚式をするように迫るのだった。
結婚式は役所で書類を提出する程度で済ませるつもりの二人だったが、ウェイトンの両親が渡米してきて、どうしても台湾式の賑やかな結婚式をするように迫るのだった。
感想
『ウェディング・バンケット(原題:囍宴、英題: The Wedding Banquet)』は、1993年制作の台湾・アメリカ合作映画でアン・リー監督による「父親三部作」の2作目。アン・リー監督と言えば様々な映画の監督をされていますが『ブローク・バック・マウンテン(2005)』では本作と同じく同性愛について描かれています。
ゲイで台湾人青年のウェイトンが結婚を望む母と孫を望む父を安心させるために、利害が一致したウェイウェイと偽装結婚するのですが、まず台湾の披露宴の豪華さというか…派手さに驚きました……人をたくさん呼んで、料理や演出も華やかで、すごくお金のかかってそうな結婚披露宴……おまけに新郎新婦のホテルで二次会のようなパーティー……キスしろ服を脱げと割と下世話な野次まで飛び交う……。
そりゃあ形だけの結婚のウェイトンとウェイウェイは披露宴をしたくないよね……おまけにウェイトンの恋人サイモンも参列するんだし……。
全体的にコメディ調ではありますが、人種や性的指向などいろんな諸問題を様々な角度から切り込んでいっている感じがして、楽しめる映画です。
映画『ウェディング・バンケット』より
歪な同居生活
台湾人青年のウェイトンは母親からは結婚を望まれ、父親からは孫を望まれ、というゲイをカミングアウトしていない人からするとあるあるな重圧です。しかも結婚相談所に勝手に登録してしまう始末。恋人サイモンの提案でウェイウェイと偽装結婚するのですが、両親がアメリカに来てしまったことで、どんどん話は大きくなっていき、ウェイトンとサイモンは恋人と近くにいるのにいちゃつけない、ウェイウェイもウェイトンの両親からの期待に苦しみます。
……いや。ご両親、長期滞在しすぎじゃない?ウェイトンの両親はアメリカにいる間、ウェイトンとサイモンの家(偽装結婚してるのでウェイウェイも一緒に住み、サイモンは大家という設定)で暮らしてるのですが、1ヶ月くらい滞在してた?
ウェイトンからした本当の両親で偽装結婚ということで騙してる、サイモンからすると恋人の両親だが大家という立ち位置なので他人、ウェイウェイからすると友人の両親だが偽装結婚しているので夫の両親という……かなり気まずい、気まずすぎる同居関係。
この同居関係や偽装結婚によるイライラがピークに達してしまい、3人は大喧嘩してしまいます。台湾人の両親には英語が分からないだろうと、英語でケンカする様はちょっと面白かったです。
映画『ウェディング・バンケット』より
台湾と同性愛
映画は1993年。台湾どころかアメリカでもまだまだ同性愛に対しての差別が厳しい時代です。作中でもサイモンやゲイの友達に怪訝そうな顔をする近所の夫婦が映し出されることからも、差別が厳しいと分かります。そんな時代の台湾はもっと厳しくて、特にウェイトンの母親はゲイに対して偏見や差別意識を持っているようでした。そんな中ではカミングアウトなんてできそうにないですよね。
そんな台湾ですが、2019年には同性婚が法的に認められました。これはアジア初のことです。映画から20年以上経っていますが、確実に台湾の同性愛に対する意識は変わっていっているんですね。
ちなみにウェイトンの父親の方は同性愛に理解があるかどうかは定かではないですが、サイモンとは良好な関係のようです。
予告編
▼映画『ウェディング・バンケット』より▼
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