南へ行けば


あらすじ

レアが野原で音楽に合わせて煽情的なダンスをしている。ヒッチハイク旅行に出たレアと兄のマチューは、南を目指すサムのフォード車に同乗して旅を続けている。だが、レアの誘いに無口なサムは乗ってくるそぶりを見せない。

一方、ゲイのマチューもサムに夢中だが、サムが隠し持つ拳銃に触ったことで彼を怒らせる。

レアは買い出しに出たついでに、同じく南へ旅をしているジェレミーを誘い、彼もいっしょに旅をするようになる。

感想

『南へ行けば』(原題:Plein sud/英題:Going South)は、2009年のフランスのロードムービーです。

レアの妊娠から物語は始まるのですが、主人公は彼女ではなく奔放な兄妹に車を出してあげているサム。

彼は幼少期のトラウマを抱えていて、どこかピリピリしており、そんな中奔放すぎる兄妹と途中参加のジェレミーとケンカしながらも触れ合うことで、トラウマの原因になった人に会いに行くというお話。

サムは最後まで拳銃を手にしており、自殺をはかるんはないかとハラハラさせますが、いろいろとわだかまりを残しつつ、とにかく明日へと生きていこう、というような終わり方ではありました。

心にひっかかりはあり、母への憎しみは残っているのですが、南へ向かう道中の3人とのかかわりの中から、生きる術を感じてロードムービーとしての雰囲気も良かったと思います。

ただ父親不明の妹レアの妊娠発覚から始まり、続いてサムを何故か誘惑するレアの草原でのビキニダンス。一緒に旅しようと車の持ち主であるサムの許可なし、一緒に旅しようとジェレミーを誘う。さすがに奔放すぎて……。

ゲイであるマシューはサムに想いを抱いている描写はあり、中盤でマシューとサムは肉体的に繋がりますが…これもなんだかとってつけたような描写で残念な印象です。最終的にレアがお金を盗もうとしたことでケンカしてしまいますし……。

サムが次に進もうと決意するための映画ではありましたが、レアのお腹の子の父親は誰?途中参加のジェレミーの存在意義は?レアはさすがに自由奔放すぎない?マシュー浮かばれないだろう…という部分が気になってしまいましたが……ロードムービーとしての雰囲気はいいと思います

トレーラー