スプリングフィーバー


あらすじ

現代の南京。
 
女性教師リン・シュエは、夫ワン・ピンが浮気をしているのではないかと疑い、その調査を探偵ルオ・ハイタオに依頼する。
 
尾行の結果、夫の浮気相手はジャン・チョンという"青年"であった。
 
尾行されていることに気づいていない夫ワンは、妻にジャンを"同級生"だと紹介する。妻に、ジャンを家族のように見てくれれば便利だと考えたからだ。
 
しかし、ある出来事をきっかけに夫婦関係は破綻し、ジャンの心は、ワンから離れていってしまう。
 
一方、尾行するうちにジャンのことが気になり始めた探偵のルオは、ジャンに近づく。次第に惹かれあうふたり。しかし、ルオにはリー・ジンという恋人がいた。
 
ジャン、ルオ、リー・ジン。それぞれの想いを胸に、奇妙な三人の旅が始まった・・・。
 
▼映画『スプリング・フィーバー』予告編▼


感想

『スプリング・フィーバー(原題:春风沉醉的晚上、英:Spring Fever) 』は、ロウ・イエ監督による2009年に製作された香港・フランス・中国合作映画。

ロウ・イエ監督が『天安門、恋人たち』の制作により中国電影局から受けた5年間の製作禁止を破ってゲリラ的に撮影した作品でカンヌ映画祭で脚本賞を受賞したが、中国では上映禁止となったのだそう。

中国で撮影禁止と言えば『中国の植物学者の娘たち』を思い出しますが、こちらは作中舞台は中国ですが、ベトナムで撮影行われました。半面、本作はゲリラで中国の南京で撮影したそうで、その力強さがうかがえます。

監督曰く「純愛」をテーマにされたそうですが、不倫、浮気、二股、略奪、執着が当たり前の恋愛模様に「純愛か?」と思わず疑問を感じました。しかも5人の登場人物が入れ替わり立ち替わりで、愛を求めあうものだから、もう何が愛なのか、何が純愛なのか分からなくなってきました。

ただラストまだ観ると、確かな愛はちゃんと存在してたんだなとも思わせてくれる作りに感服しました。

スプリングフィーバー02
映画『スプリング・フィーバー』より

愛を模索するお話

物語のはじめの方でワンとジャンは別れ、探偵のルオがジャンに惹かれ関係を持ってしまうのですが、ジャンって相手が結婚してる人や彼女がいる人ということで、恋愛において2番手ポジションという不憫な立ち位置ですが、多分一番ジャンを愛し想っていたのはワンだったんだろうなと感じました。

正直に言うとラストはあまりスッキリしません。みんながみんな、もやもやを抱えながら物語が終わっていく感じがあり、スッキリしないけれど、どこか満足感を得られる映画でした。

ちなみに、ワンとジャンやルオとジャン、ゲイバーなど同性愛描写はありますが、ひとつの愛の形という感じで同性愛だから悩むとかそういった描写はありません。ただ、ワンの妻リンが、ワンとジャンの関係を同性愛であることを理由に否定したり、ジャンの職場で夫との関係をばらしたりと差別的な描写があるにはありますが、それが物語の鍵になるとかそういったのではないです。

スプリングフィーバー01
映画『スプリング・フィーバー』より

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