レビューサムネ2110
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最初で最後のキス(イタリア映画/同性愛・ゲイ)

最初で最後のキス
【あらすじ】
イタリア北部の典型的な地方都市ウーディネ。個性的なロレンツォは、理解のある愛情深い里親に引き取られトリノからこの町へやってきた。
初登校の日、お気に入りの派手なシャツで到着すると、瞬く間に”オカマ”呼ばわりされ学校で早速浮いた存在となる。
そんなロレンツォが友情を育んでいったのは、ある噂から”尻軽女”と罵られている少女ブルーと、バスケは上手いが”トロい”と馬鹿にされているアントニオだった。
3人を通して、出会い、友情と恋、その絆や未来を無知ゆえに自ら破壊してしまう青春の脆さや残酷さを突きつける。

【おすすめポイント】
尻軽女とからかわれようともどこ吹く風なブルーとオカマとバカにされようとも気にせずやり返すロレンツォがトロイと言われ孤立しているアントニオの友情物語……
ブルーには年上の彼氏がいて、ロレンツォはアントニオに恋をしている。アントニオはブルーに恋心を抱いていて、ロレンツォに対しては友情以上の感情を抱けない。そんなよくありがちのような三角形。
こちらはイタリア映画ですが、アメリカで実際に起こった事件を基にしています。2008年にアメリカ・カリフォルニア州でおこった『ラリー・キング事件』です。詳細はネタバレになってしまいますが、すごく切なく儚くセンセーショナルな事件で、映画はまんま事件を再現しているのではなく、イタリア流にアレンジされています。
前半の青春キラキラのさわやかさからの後半はかなり衝撃的です。

▼映画『最初で最後のキス』予告編▼

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青の棘(ドイツ映画/同性愛・ゲイ)

青い棘
【あらすじ】
ベルリンの寄宿学校に通う少年、パウルとギュンター。
家庭環境も性格もまったく対照的な二人だったが、ある“秘め事”のために結束する。
そして、友人たちと訪れた静かな湖畔の別荘。
光に溢れたその場所が、やがて惨劇の舞台となる。

【おすすめポイント】
『青い棘』は、2004年制作のドイツの映画。1927年にワイマール共和国時代のドイツのベルリンで実際に起こった事件 "シュテークリッツ校の悲劇"を基に繊細な青年達の愛と悲劇を描くロマンスドラマ作品です。
主人公パウルは友人ギュンターの妹ヒルデに恋をし、ギュンターは今は妹の恋人になっている元恋人のハンスに執心し、ヒルデ自身は恋愛や性に奔放でたくさんの男を取り巻きながらもパウルを誘惑し、ハンスとの情事も楽しむ、ヒルデの友人エリはパウルに片想い……という複雑で難解な恋模様が展開されます。
実際の事件は至ってシンプルですが、事件の舞台が上流階級の寄宿学校やその他もろもろの要因もあり、当時のドイツではかなりセンセーショナルな事件だったようです。

▼映画『青い棘』予告編▼

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(アメリカ映画/同性愛・ゲイ)

イミテーション・ゲーム
【あらすじ】
第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。
世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。
英国政府が50年以上隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは―?!
イギリスがドイツに宣戦布告した1939年、チューリングはブレッチリー・パークを訪れ、海軍中佐アラステア・デニストンの指揮の下、ヒュー・アレグザンダー、ジョン・ケアンクロス、ピーター・ヒルトンらとともに、ナチスの暗号機エニグマの解読に挑むチームを結成する。

【おすすめポイント】
天才的な数学者であるアラン・チューリングのエニグマ解読のおける半生を映像化した作品です。アラン・チューリングは現在のコンピュータの礎になってるチューリングマシンを生み出し、エニグマ解読により多くの人を救った偉大なる人ですが、その功績は長らく秘匿とされてました。
その功績を公に映像化した作品が本作です。
アラン・チューリングはエニグマ解読という大きな功績があったにも関わらず、本来は英雄と言われてもおかしくない様々な事情で秘匿とされてきました。それどころか同性愛指向を摘発され「犯罪者」とレッテルまで貼られました。
アラン・チューリングさんの功績を観るのも楽しいですが、当時の同性愛事情も見られるのでその点でも楽しめる作品です。

▼映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』より▼

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人生はビギナーズ(アメリカ映画/同性愛・ゲイ)

人生はビギナーズ
【あらすじ】
「私はゲイだ」 父が75年目に明かした真実が、僕の人生を大きく変えた。
アートディレクターのオリヴァーは、愛に臆病な内向的で真面目な38歳独身男。
ある日、44年連れ添った妻に先立たれ、自らもガンを宣告された父ハルから、ゲイであることを告白される。
厳格だった父の突然のカミングアウトに戸惑いつつも、病に立ち向かいながら新たな人生を謳歌し始めた父と語り合い、少しずつ距離を縮めていくオリヴァー。
やがて父との永遠の別れを経て、大いなる喪失感を抱えたままの彼の前に、フランス出身の女優アナが現われる。互いに人と距離を置きながら生きてきた似たもの同士の2人は、ほどなく恋に落ちるのだったが…。

【おすすめポイント】
「実話」…というほどでもないのですが、オリヴァーの父・ハルのモデルは本作の監督・脚本のマイク・ミルズの父だそうで、ミルズの父が75歳で亡くなるまでの5年間の出来事に基づいているのだとか。
他にもゲイであるが故、彼氏の息子であるが故にオリヴァーと距離を感じるアンディの苦悩や恋人のアナと父親との確執など「人生の初心者」たちが物語を紡ぎます。メインはオリヴァーのエピソードなのでスポットライトは当たりませんが、それでも彼が「失敗を恐れる必要はない」と思えるようになるキーパーソンで、観てるこちら側も勇気もらえる、そんな作品です。

▼映画『人生はビギナーズ』より▼


Girl/ガール(ベルギー映画/トランスジェンダー)


ガール000
【あらすじ】
トランスジェンダーの少女ララの夢は、バレリーナになること。女生徒としてバレエ学校に転入し、厳しいレッスンについていくが、慣れないトウシューズが彼女の脚を痛めていく。
それと同時に、心と体の不一致を解消するため、性別適合手術の準備を始めるララと父親のマティアス。2年後の手術に向け、ホルモン治療を始めるが、ララの期待と裏腹に体には目立った変化が現れない。
「焦らないで、ゆっくりいこう」と、理解ある父親はララを諭すが、バレエレッスンの度にレオタード姿になるララにとっては、「男性」の体でいることは、苦痛でしかなかった。

【おすすめポイント】
この作品は実在するノラ・モンセクールというダンサーがモデルとなっています。彼女はトランスジェンダーであるとカミングアウトし、自身の通うバレエ学校の男子クラスから女子クラスへの編入を求めたが学校側からは拒否されたそうです。そのニュースを見た監督が彼女の勇気に感動して本作が出来上がったそうです。
本人にヒアリングしただけあってバレエ描写性別違和描写もなかなかによく描けてると思います。

▼映画『Girl/ガール』予告編▼

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