パラダイスキス


あらすじ

早坂紫は、進学校に通う高校三年生。学校と塾と家を往復する人生に、疑問を感じる日々を送っていた。そんなある日、紫は「パラダイス・キス」のメンバーからショーのモデルにスカウトされる。
 
パラキスは、矢沢芸術学院の服飾科に在籍する小泉譲二(ジョージ)、櫻田実和子、永瀬嵐、山本大助(イザベラ)で結成されたグループで、学園祭のファッションショーに向けてショーモデルを探していた。
 
それまで勉強しかしてこなかった紫は、当初はパラキスのメンバーに対し「あんた達の遊びにつき合ってる程ヒマじゃない!」と、偏見を抱いていたが、パラキスのメンバーと一緒に行動するうちに、彼らのひたむきに夢を目指す姿勢に惹かれていく。
 
▼映画『パラダイス・キス』予告編▼


感想

『Paradise Kiss』は、矢沢あいの漫画で、これを原作とした実写映画とアニメも作られています。原作は1999年から2003年にかけて連載され、全5巻。2005年にアニメ化されキャストは山田優さんと浜田賢二さんが紫とジョージをそれぞれ演じました。
 
2011年には紫役に北川景子さん、ジョージ役に向井理さんを起用して実写映画化もされ、当時、原作と違ったラストや五十嵐隼士さんのイザベラ姿が話題になりました。
 
また主演の北川景子さんがご結婚されたときのドレスが作中のドレスと似ているということで話題になりました。自分の出演した作品を大事にされる北川景子さんらしいエピソードですね。
 
物語全体は矢沢あいさん独特のキラキラ感とトゲトゲしさが混ざり合った作品で、主人公の女の子が自分の可能性を信じて、夢を持つようになるお話……といった感じでしょうか。
 
観ているこちらもとても勇気をもらえる作品で、前向きなようでどこか躓きがちなキャラクターたちが人間味があり、そしてキャラクターたちの言葉がとても刺さるいい作品だなと感じました。
 
パラダイスキス01
映画『パラダイス・キス』より

パタンナー・イザベラ

個人的注目するポイントは、イザベラです。
 
「パラダイス・キス」のメンバーで、パタンナーを目指している。ジョージとは小学生からの幼なじみで、「ジョージが作る服のパターンを引くのが夢」。物心ついた頃から自分が男であることに違和感を持っていたため、常に女言葉で喋り「イザベラ」と名乗って特徴的なメイクと女装で生活しているキャラクターです。
 
つまり性別に違和感を感じており、日常的に女性装をしているのですが、その女装はどちらかというと埋没するような女装ではなく、ドラァグクイーンほどではないですが派手めで煌びやかな感じです。……といっても周りには派手なキャラクターが多いのでそこまで浮いてるというほどでもないですが。
 
私は映画が初見だったので、はじめはファッションとして女装を楽しんでる人なのかなと思っていたのですが、物語終盤に子供の頃かの性別違和を語り、悩んでいた小学生の頃にジョージからドレスをプレゼントされて笑顔になったというエピソードをも語ります。
 
「女の子は洋服を着飾るたびに生まれ変わる」すごくいい言葉だと思いました。
 
原作でも多分触れられていないのですが、イザベラは身体的には性別移行していないらしく、実写では男性キャストの五十嵐隼士が煌びやかなイザベラ姿を披露し話題になりました。この役に挑むにあたりひげ脱毛の処理を行ったそうです。
 
パラダイスキス04
映画『パラダイス・キス』より

原作・アニメ紹介

パラダイスキス03
原作と映画のラストは大きく違いますので、映画から興味を持った人は是非原作も!
 
パラダイスキス02
アニメはアニメでまた違った面白さがあります。ちなみにアニメ版のイザベラは女性キャストが演じていますが…個人的にそう来たか…と思いましたw
 
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