グラマラスエンジェル


あらすじ

偶然出会ってしまった男女7人が織り成す奇妙で切ない青春群像劇。
あることがきっかけで偶然知り合った、年代も職業も違う男女7人。

彼らは誰が言い出すでもなく自然にいつものバーに集まり、くだらない話からお互いの人生観まで語り合う仲間。しかし、一番大事なことは言い出せない、一人一人が秘密を持ちながら生きていた…。

登場人物

佐伯祐司(ユージ):山崎樹範…シュウの恋人で同棲中、シュウにもみんなにも言えない秘密を抱えている。バイセクシュアル。

藤野修太郎(シュウ):内田滋…ゲイ。ユージと恋人で同棲中。劇団の脚本を書いているが主な収入源は株。親やみんなにゲイを隠していることを心苦しく思っている。

中村香奈:吉瀬美智子…忠彦と付き合っているがそれまでは既婚者とばかり付き合っていた。結婚を期待しているが乗り気ではない忠彦に痺れを切らしている。

柏田みこと:唐沢美帆…脚本家志望。サバサバした性格ではあるが、みんなには言えない秘密を持っている。

古川忠彦:松尾敏伸…香奈の恋人。結婚を迫られているが、理由があって煮え切らない態度を取っている。

塚本啓介(わかしゃ):田中圭…和菓子屋の跡取り息子の大学生。和菓子屋を継ぐかどうか悩んでいる。好奇心旺盛で若者らしくムードメーカー。

中村舞子:鈴木蛍…いいとこのお嬢様でコネ入社が決まっている女子大生。この物語の語り部。

グラマラスエンジェル01
ドラマ『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラスエンジェル』より

感想

『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラスエンジェル(THE SPIDERS FROM MARS AND GLAMOROUS ANGEL)』は、フジテレビ系列で2007年に放送された青春群像劇の単発テレビドラマで劇中BGMにはデヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、ジョン・レノン、10ccなど1970年代の曲が使われています。

ドラマというより舞台調の演出でリアル感よりも舞台で物語を観るような臨場感があります。

男女7人は仲が良くバーで楽しく飲んではいるが、実はそれぞれに秘密を抱えており、それが徐々に明るみになっていくというお話ですが「火星までの片道切符をもらったらどうするか?」とか「天使は男か女か無性別か」といった意味深ワードも出てきて面白いです。

本当の自分

作中ではゲイであることを仲間内や親に秘密にしているキャラクター・藤野修太郎が登場します。

自身がゲイであるということは認めているものの完全には受け入れらず、またゲイであることを公に言えないことに「本当の自分はここにいない」と感じます。本当の自分を知ってもらうためにカミングアウトしたいが「ゲイってどう思う?」という質問に仲間内の「グロイ」という言葉になかなかカミングアウトできずにいるという苦しいキャラクターです。

性的マイノリティのカミングアウトってするかしないかは本当に個人の自由だと私は思っていて、したくなければしなくてもいい、カミングアウトすることで傷つくならしないという選択肢もあると思っています。

しかし中には「カミングアウトしたいけれどできない」という人もいるのも事実で、藤野修太郎はそんなキャラクターです。そんな彼がみんなの前でカミングアウトする姿は胸打たれるものがあります。

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