バッドエデュケーション


あらすじ

1980年、マドリード。若くして成功した映画監督エンリケのもとにイグナシオと名乗る美貌の青年が映画の脚本を手に突然あらわれた。彼はエンリケの少年時代の神学校寄宿舎での親友。あまりに変わった友に疑いを感じながらも、脚本の内容にひきつけられていくエンリケ。
 
なぜなら、そこに描かれていたのは自分の人生を変えた、彼らが少年時代の引き裂かれた悲劇。エンリケを守りたいがゆえに自らを犠牲にしたイグナシオの真心、今もなお変わらぬ愛。でも何かが違う。本当にイグナシオなのか?真実を求め、エンリケはイグナシオの大いなる秘密を知ることになるのだった…。
 
▼映画『バッド・エデュケーション』予告編▼


登場人物

エンリケ(フェレ・マルティネス)
…スランプ中の映画監督。かつて神学校で親友で初恋の相手のイグナシオと想いあうも、イグナシオがお気に入りだったマノロ神父によって退学させられてしまう。
突然訪ねてきたイグナシオに「本当にイグナシオか?」不信感を抱く。
 
イグナシオ/アンヘル(ガエル・ガルシア・ベルナル)
…売れない俳優。芸名は「アンヘル」でエンリケにもそう呼ぶよう強要している。エンリケとイグナシオの神学校時代のことをしたためた脚本をエンリケに持っていき、主人公を演じたいと頼み込む。
 
マノロ神父:(ダニエル・ヒメネス・カチョ)
…エンリケとイグナシオのかつて通っていた神学校の神父。生徒に性的虐待をしており、特にイグナシオはお気に入りで、イグナシオと仲のいいエンリケを退学にさせた。
 
バッドエデュケーション02
映画『バッド・エデュケーション』より

感想

『バッド・エデュケーション(原題:La Mala Educación, 英題:Bad Education)』は、2004年のスペインの映画。監督・脚本は『オール・アバウト・マイ・マザー』や『ペイン・アンド・グローリー』で知られるペドロ・アルモドバル、出演はガエル・ガルシア・ベルナルとフェレ・マルティネスなど。
 
かつてのフランシスコ・フランコ政権下の抑圧的な神学校での少年二人の友情と初恋、神父による性的虐待、および現代の成人して再会した彼らの姿とが交錯して描かれており、かつて自らも保守的な神学校で少年時代を送ったアルモドバルの半自伝的な作品と称されています。
 
内容はいきなり目の前に現れた昔の初恋の人・イグナシオを名乗る青年は誰なのか?イグナシオでなければ本当のイグナシオはどうしたのか?神学校でエンリケとイグナシオに何があったのか?などミステリー要素もあって楽しめる作品です。
 
バッドエデュケーション01
映画『バッド・エデュケーション』より

アンヘル役の魅力

自身もゲイであることを公言しており、他作品でも同性愛を扱うことも多いアルモドバル監督ですが、それに限りらず、人間の欲望やアイデンティティの問題といったテーマを上げられることが多くあります。この作品もゲイやトランスジェンダーが登場しますが、メインは人間の欲望の闇を主人公エンリケ目線で描いたもので、特にアンヘルとマノロ神父がかなり欲深に描かれています。
 
個人的な見どころはアンヘル役を演じたガエル・ガルシア・ベルナルの演技力。売れない役者の顔、演技をしている役者の顔、あどけない学生の顔、そして真実の顔…といくつの顔を見せるのかと思わせるほどの演技力。そして最後の最後まで彼の真意が掴めないという点まで完成されていて面白いです。
 
最後までアンヘルの感情は分かりませんが、個人的には「後悔」なのかなと思っています。特に作中劇『追憶』のラストを演じた後の涙は、自分が今までしてきたことや自分が偽ってきたものへの後悔ではないかと感じました。しかし、その後の展開を観ると、公開というより「恐怖」だったのかもという気もしてきて、そういうつかみどころのなさがアンヘルを演じっきたガエル・ガルシア・ベルナルだと再認識ました。
 
バッドエデュケーション03
映画『バッド・エデュケーション』より
 
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