レビューサムネ2201
アジアの映画作品
昨今、タイのBLドラマがブームになるなど、アジアでもLGBTQをテーマにした作品あります……ただ日本上陸というにまだまだな部分も多く、これからかなとことも多いです。
そこで今回は日本以外のアジアの映画作品を5つご紹介します!


ソン・ランの響き(ベトナム/ゲイ)

ソンランの響き
【あらすじ】
1980年代、サイゴン(現・ホーチミン市)。ユンは借金の取り立てを生業とし、返済が遅れた客には暴力もいとわず、周りから“雷のユン兄貴"と恐れられていた。
ある日、ユンはカイルオンの劇場に借金の取り立てに行く。そこで劇団の若きスター、リン・フンと出会い翌日の夜、ユンはカイルオンの芝居を見るとリン・フンの妖しい美貌と歌声に魅せられる。
 
始めはぎこちない二人だったが、テレビゲームに興じるうちに次第に打ち解けるようになる。すると停電になり、仕方なく外に出る。屋台で麺を食べながら流しの老人の歌を聞いたリン・フンは、その歌が自らの人生に重なると言う。するとユンは、父がカイルオンの伴奏者だったと語るのだった。
 
【ポイント】
『ソン・ランの響き』は2018年ベトナム映画。1980年代のベトナムということでまだベトナム戦争の爪痕が残っている時代だそうです。
この物語のストーリーはいたってシンプルでですが、終盤の、作中劇「ミー・チャウとチョン・トゥイー」とリン・フンの溢れんばかりの熱情とユンに起こった出来事が見事にリンクさせていて、それまでのどこかノスタルジックで、ゆったりとしたストーリーがここに来て、感情の洪水のように流れてくる演出は息を飲む演出はとても素晴らしいです。
 
▼映画『ソン・ランの響き』予告編▼
 
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スプリングフィーバー(中国/ゲイ)

スプリングフィーバー
【あらすじ】
現代の南京。
女性教師リン・シュエは、夫ワン・ピンが浮気をしているのではないかと疑い、その調査を探偵ルオ・ハイタオに依頼する。尾行の結果、夫の浮気相手はジャン・チョンという"青年"であった。
尾行されていることに気づいていない夫ワンは、妻にジャンを"同級生"だと紹介する。妻に、ジャンを家族のように見てくれれば便利だと考えたからだ。
しかし、ある出来事をきっかけに夫婦関係は破綻し、ジャンの心は、ワンから離れていってしまう。
一方、尾行するうちにジャンのことが気になり始めた探偵のルオは、ジャンに近づく。次第に惹かれあうふたり。しかし、ルオにはリー・ジンという恋人がいた。
ジャン、ルオ、リー・ジン。それぞれの想いを胸に、奇妙な三人の旅が始まった・・・。
 
【ポイント】
『スプリング・フィーバー』は、ロウ・イエ監督による2009年に製作された香港・フランス・中国合作映画。舞台は南京と言うことで中国なのですが、中国では撮影が難しくゲリラ撮影を行うなどしていたようです。
監督曰く「純愛」をテーマにされたそうですが、不倫、浮気、二股、略奪、執着が当たり前の恋愛模様でドロドロしていますが、確かな「純愛」はちゃんと存在してたんだなとも思わせてくれる作りに感服しました。
 
▼映画『スプリング・フィーバー』予告編▼
 
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中国の植物学者の娘たち(中国・ベトナム/レズビアン)

中国の植物学者の娘たち
【あらすじ】
孤児院で育ったミンは、1ヶ月半のチェン教授の実習生として、孤島にある植物園へ赴く。
そこでミンは教授の娘アンと出会う。
お互い母親を亡くし孤独な環境で育った二人は、強く惹かれあう。
だが、軍人であるアンの兄タンが、帰省してすぐミンへとプロポーズしたことにより、二人がずっと一緒にいられるための方法―結婚―を決意する。
 
【ポイント】
『中国の植物学者の娘たち』は、2006年公開のフランス・カナダ合作映画。 ダイ・シージエが監督・脚本を務めています。
中国が舞台でありながら、同性愛をテーマにした作品ということで中国での撮影の許可が下りず、ベトナムで撮影され、もちろん中国映画でもなくフランスとカナダの合作映画とちょっと面白い感じになってますね。
実在の出来事をモチーフにしているため、中国においていかに同性愛が厳しいかを伝えてくれます。

▼映画『中国の植物学者の娘たち』予告編▼
 
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ブエノスアイレス(香港/ゲイ)

ブエノスアイレス
【あらすじ】
香港からちょうど地球の裏側に当たるアルゼンチンを旅するゲイのカップル、ウィンとファイ。
「やり直す」ための旅行にもかかわらず、イグアスの滝への道中で道に迷い喧嘩別れしてしまう。
ひとりになったファイは旅費の不足を補うためブエノスアイレスのタンゴバーでドアマンとして働くが、そこへ白人男性とともにウィンが客として現れる。
 
【ポイント】
『ブエノスアイレス』は1997年の香港映画。ウォン・カーウァイ監督。ウィンのことを見捨てられないファイ役にトニー・レオン、ファイの恋人で自由奔放なウィン役にレスリー・チャン、ファイの同僚のチャン役にチャン・チェンを起用しています。
中国では同性愛にかなり厳しく作品を作るのにも大変ですが、同じアジア圏でも香港や台湾はそういったことはなく『花蓮の夏』など多くの作品があります。
ただ本作『ブエノスアイレス』は香港映画ですが舞台はアルゼンチンですが……。
 
▼Happy Together Trailer(long version)▼
 
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私の少女(韓国/レズビアン)

私の少女
【あらすじ】
ソウルから小さな漁港の村の警察所所長として赴任したイ・ヨンナムは、14歳の少女ソン・ドヒが継父ヨンハから暴力を受けているのを目撃する。ドヒの母親はドヒを置いて家を飛び出しており、村唯一の若者であるヨンハの虐待に村の者は見て見ぬふりをしていた。
ドヒは暴力から自分を守ってくれるヨンナムに懐き、ヨンナムがドヒを自宅に引き取り面倒をみることとなるが、継父のヨンハはヨンナムのある秘密を目撃する。

【ポイント】
『私の少女』は、2014年公開の韓国映画。ジャンルは社会派サスペンスとなっています。虐待を受けている少女とその少女を救おうとする女警官の物語です。
また同性愛差別の問題にも踏み込んでいて、女警察官ヨンナムは女性同士て交際していたことを【問題行動】としてソウルから漁村への左遷させられており、物語の終盤では同性愛者だからという理由で少女への性的行為を疑われます。
実は韓国でも同性愛作品に対してはかなり厳しい方ではありますが、全く作られていないというわけではなく、ドラマや映画などで多く同性愛をテーマにした作品があります。
 
▼映画『私の少女』予告編▼
 
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