映画『君の名は。』の一人称
映画『君の名は。』では作中で田舎の女子高生の三葉ちゃんと都会の男子高校生の瀧くんの心と体が入れ替わるお話、問題のシーンは男子高校生の瀧くんの中身が女子高生の三葉ちゃんだったときに、瀧くんの友人から様子がおかしいと疑われ、思わず「私」「僕」「俺」と一人称をコロコロ変えて様子伺うというシーン。
 
一応解説すると、瀧くんの普段の一人称が「俺」、三葉ちゃんの普段の一人称が「私」。日本語の一人称には漠然とした性別性があり、「私(わたし)」は女性、「僕」や「俺」は男性が使うことが多いと思います。
 
こういった一人称の性別性って他の国々では珍しく、英語では男性も女性も「I」のみ。なので、映画『君の名は。』の字幕版では「I(watashi)」「I(watakushi)」「I(boku)」「I(ore)」とかなり強引な訳し方をしてました。吹き替え版では一人称のくだりはなくなり、余所余所しさから砕けた感じなるよう変更されてるそうです。
 
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ちなみに一人称の性別性とは関係ないのですが、アニメ『僕のヒーローアカデミア』でも一人称のくだりがあり主人公デクくんの友人飯田天哉くん普段は「俺」と言っていた一人称が「僕」になり、ヒロインから「ひょっとしてお坊ちゃん?」と言われるシーンがあります。
 
このシーンも英語では一人称のくだりはまるまるカットで、代わりに別の単語で「ひょっとしてお金持ち?」と思わせるシーンに変更されていました。
まぁ正直言うと「僕」って使ったからっていいところのお坊ちゃんって発想もよく分からないし、なんならいいところのお坊ちゃんではない主人公デクくんの一人称も「僕」だし、現実問題「僕」と「俺」を使い分けてる男性も結構いるので…このシーンは読んでてちょっと謎でしたけどね……。
 
そんな一人称のお話でしたー。
 
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