トランスジェンダー作品02

昨今、演劇方面では様々な観点から「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者に」という動きがあります。今回はそれらを踏まえて「トランスジェンダーは誰が演じているか」に着目してレインボー作品をご紹介します!今回は「シスジェンダー俳優がトランスジェンダー役を演じている」作品!

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ダラス・バイヤーズクラブ(アメリカ映画/ジャレッド・レト)

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▼映画『ダラス・バイヤーズクラブ』予告編▼
 
【あらすじ】
1985年ダラス、電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフは「エイズで余命30日」と医師に宣告される。
当時まだエイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思い込まれており、無類の女好きであるロンは診断結果を信じようとしなかったが、詳しく調べるうち、異性との性交渉でも感染することを知る。しかし、友人や同僚たちに疎んじられ、徐々に居場所を失っていく。
ロンはアメリカではエイズの認可治療薬が少ないことを知り、効果の高い未承認の治療薬を求めて国外へ向かう。世界各地で治療薬を入手したロンは、レイヨンと共に未承認治療薬を国内で捌く「ダラス・バイヤーズクラブ」を立ち上げる。
 
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映画『ダラス・バイヤーズクラブ』より トランス女性のレイヨンを演じたジャレッド・レト

まずご紹介する作品は実在した人物とロン・ウッドルーフをモチーフにした2013年のアメリカ映画『ダラス・バイヤーズクラブ』。その作品の中でジャレッド・レトはレイヨンというトランス女性を演じています。彼はヒステリックで強かで実は打たれ弱いという難しい役どころであるレイヨンというキャラクターを見事に演じ切って見せて話題になりました。

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わたしはロランス(カナダ映画/メルヴィル・プポー)

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▼映画『わたしはロランス』予告編▼
 
【あらすじ】
愛がすべてを変えてくれたらいいのに
彼は、女になりたかった。彼は、彼女を愛したかった。
どこにも行けない“愛"に果敢に挑戦するふたりの、とても“スペシャル"なラブストーリー。
モントリオール在住の国語教師ロランスは恋人のフレッドに「これまでの自分は偽りだった。女になりたい。」と打ち明ける。
それを聞いたフレッドは、ロランスを厳しく非難するも、彼の最大の理解者であろうと決意する。
あらゆる反対を押し切り、自分たちの迷いさえもふり切って、周囲の偏見や社会の拒否反応の中で、ふたりはお互いにとっての“スペシャル"であり続けることができるのか・・・?
10年にわたる、強く美しく切ない愛を描いたラブ・ストーリー。
 
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映画『わたしはロランス』より 性別違和を抱えるロランスを演じるメルヴィル・プポー

続きましては『わたしはロランス』。グザヴィエ・ドラン監督・脚本による2012年のカナダ・フランスのロマンス映画で、主人公ロランスは性別違和を抱え30歳にして女性として生きる道を選ぶ物語。その主人公ロランス役をメルヴィル・プポーが演じています。ロランスは男性から女性に性別移行するという役柄なため、シス男性が演じているのも頷けますね。物語後半は前半の雄々しさを隠し女性的に振る舞うメルヴィル・プポーの演技力は圧巻です。またメルヴィル・プポーは『ぼくを葬る』ではゲイ男性を演じていて、何かと縁がありますね。

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プルートで朝食を(映画/キリアン・マーフィー)

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▼『プルートで朝食を』予告編▼
 
【あらすじ】
アイルランドの小さな町に住むパトリックは、生まれてすぐに教会の前に置き去りにされ、養子に出されたという過去があった。
そんな境遇と、子供の頃からお化粧やキラキラした衣裳が好きな性格のため、周りから奇異の目で見られていたが、パトリックはお構いなしで毎日を過ごしていた。

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『プルートで朝食を』より パトリックを演じるキリアン・マーフィー

続いて『プルートで朝食を』をご紹介。2005年のアイルランド・イギリスの映画です。孤独なトランス女性・パトリックが母を探すというお話で、そんなパトリックを演じるのはキリアン・マーフィー。彼は性別違和を抱えるパトリックという役でコミカルに演じ切り、ゴールデングローブ賞主演男優賞にもノミネートされました。あらすじから何やら重たい雰囲気とか強いメッセージ性を感じるかもしれませんが、実際観てみるとコメディ色強め。そういったコメディ色強め故にシスジェンダー俳優が演じる良さと言うものがあるのかもしれません。また煌びやかでフリフリな服装だけでなく、スタイリッシュなファッションであったり、コミカルな衣装であったりとファッションにも注目です。 

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リリーのすべて(映画/エディ・レッドメイン)

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▼映画『リリーのすべて』予告編▼
 
【あらすじ】
あなたの愛で、本当の自分になれた。夫が女性として生きたいと願った時、妻はすべてを受け入れた。
風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家の妻ゲルダと結婚し、デンマークで充実の日々を送っていたが、ある日、妻に頼まれて女性モデルの代役をしたことを機に、自分の内側に潜む女性の存在に気づく。
それがどういうことなのかもわからないまま、“リリー”という女性として過ごす時期が増え、心と身体が一致しない状態に苦悩するアイナー。一方のゲルダは夫の変化に戸惑いながらも、いつしか“リリー”こそアイナーの本質であると理解していく。

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映画『リリーのすべて』より リリー・エルベを演じるエディ・レッドメイン

続きましては最初に性別適合手術をした実在の人物・リリー・エルベとその妻ゲルダ・ヴェイナーとモデルにした2015年の映画『リリーのすべて』。ひょんなことがきっかけで自身の性別違和を感じ、性別移行するリリー・エルベを『ファンタスティック・ビースト』シリーズに主人公・ニュート・スキャマンダー役でおなじみのエディ・レッドメインが演じています。わがままで可愛らしいリリーを見事に演じた彼ですが、当時から「トランスジェンダー役はトランスジェンダー俳優に」という意識があり、エディ自身も2021年には「いまだったら、あの役を引き受けることはしないでしょう。私はあの映画を、誠心誠意を尽くして作りましたが、間違いだったと感じています」とコメントしました。しかしながら、男性時代のシーンも多く、男性から女性への移行期も描かれていたため、これに関しては必ずしも「トランスジェンダー役はトランスジェンダー俳優に」とは個人的に思いません。 

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Girl/ガール(ベルギー映画/ヴィクトール・ポルスター)

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▼映画『Girl/ガール』予告編▼
 
【あらすじ】
トランスジェンダーの少女ララの夢は、バレリーナになること。女生徒としてバレエ学校に転入し、厳しいレッスンについていくが、慣れないトウシューズが彼女の脚を痛めていく。
それと同時に、心と体の不一致を解消するため、性別適合手術の準備を始めるララと父親のマティアス。2年後の手術に向け、ホルモン治療を始めるが、ララの期待と裏腹に体には目立った変化が現れない。「焦らないで、ゆっくりいこう」と、理解ある父親はララを諭すが、バレエレッスンの度にレオタード姿になるララにとっては、「男性」の体でいることは、苦痛でしかなかった。
同世代の少女たちの中で、少年の体でレッスンを続けなければならないララは、一人孤独と戦い、葛藤する。追い詰められたララの心は、彼女を思わぬ方向へ向かわせていく。

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映画『Girl/ガール』より ララを演じるヴィクトール・ポルスター

最後は『Girl/ガール』。2018年のベルギーの映画。実在のダンサー、ノラ・モンスクールをモデルにトランス女性のララの苦悩を描いています。トランス女性のバレリーナ役には本作が俳優デビューとなるヴィクトール・ポルスター。本作もまた『リリーのすべて』同様に「トランス女性役はトランス女性が演じべきだ」と批判され、作中の描写においてもLGBTQから視聴拒否運動が起きるほど批判されました。ララの役は当初トランスジェンダー含めた性別不問のオーディションで決まる予定でしたが難航、脇役のダンサーのオーディションを受けていたポルスターに白羽の矢が立ち演技とダンスの実力面からララ役に決定する経緯もあり、上記の批判を受けて、モデルとなったノラ・モンスクールは様々な面からララのキャスティングを擁護しています。

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いかかでしたでしょうか。『ダラス・バイヤーズクラブ』のように製作時代の背景によりトランスジェンダー役をシスジェンダー俳優が演じても批判されなかったり、『リリーのすべて』のように批判されながらも好演し、後に役者が「間違いだった」とコメントしたり、『Girl/ガール』のように視聴拒否運動まで起こるような批判があったりと様々ですね。他にもトランスジェンダー役をシスジェンダー俳優が演じた作品はいくつもあり、例えば『トランスアメリカ』ではトランス女性役ブリーをシスジェンダー女性のフェリシティー・ハフマンが演じたりしています。時代によって役者事情って言うのも変わってきますので、今後はどうなるかも注目ですね!