後悔なんてしない


あらすじ

地方の孤児院出身のスミンは、大学入学のために、昼は工場で勤務し、夜は運転代行のアルバイトをしていた。ある日、運転代行でバーに呼び出されたスミンは、裕福な青年ジェミンと出会う。互いに惹かれ合うものを感じ、ジェミンはスミンを部屋に誘うが、スミンはやんわりと断る。
 
スミンの工場で大幅な人員削減が行なわれるが、工場を経営する会社の副社長であるジェミンは、スミンが勤務していることを知り、スミンの解雇を取りやめる。しかし、身分の違いを強く意識したスミンは、ジェミンの好意を素直に受け入れられず、工場を退職してしまう。その後、飲食店の皿洗いなどの仕事をするが長続きしないスミン。結局、先輩の紹介で「ゲイホストバー」の男娼となる。
 
一方、ジェミンは親の決めた婚約者ヒョヌとの結婚を間近に控えていたが、スミンを忘れることができず、スミンが働くホストバーにやって来る。はじめは強くジェミンを拒んでいたスミンだが、自分へのまっすぐで純粋な想いをぶつけて来るジェミンに徐々に惹かれて行き、ついに二人は結ばれる。互いに離れがたい存在になった二人だが、ジェミンに婚約者がいることをスミンが知ってしまったことから二人の関係が狂い始める。
  
後悔なんてしない01
映画『後悔なんてしない』より

登場人物紹介&キャスト

▼『後悔なんてしない』予告編▼


【登場人物紹介&キャスト】
ジェミン(イ・ハン)
工場を経営する会社の副社長。代行を頼んだ時にバイトでやってきたスミンに一目惚れし、猛アタックの末に結ばれるも、会社経営一族の副社長と言うことで、将来を期待され婚約者もおり、恋愛と自分の置かれている立場の狭間で思い悩む。イ・ハン(現 キム・ナムギル)はこの映画で同性愛者を演じたことで話題になり、その後『赤と黒』『感染家族』など多くの主演を務めています。

スミン(イ・ヨンフン)
孤児院育ちで大学に通うためにバイトを掛け持ちしていた青年。バイトでジェミンに誘われるも、身分の違いからやんわり断る。その後、さまざま事情によりバイトを辞め、お金を稼ぐためにゲイ専門風俗で働くようになる。はじめこそ身分の違いからジェミンの誘いを断っていたスミンだがジェミンの熱意に根負けし付き合うようになる。
  
ヒョヌ(キム・ジョンファ)
ジェミンの婚約者。あくまで会社との繋がりのための婚約者であるため、ジェミンとの間に恋慕は(多分)ない。自分の立場を脅かすスミンを快く思っていない。
  
ジョンテ(チョ・ヒョンチョル)
スミンのゲイ風俗の先輩。結構いろいろやらかす。

カラム(キム・ドンウク)
スミンのゲイ風俗の後輩。

感想

『後悔なんてしない(原題:후회하지 않아、英題:No Regret)』は、2006年公開の韓国映画。韓国で初めて同性愛者あることをカミングアウトした映画監督イソン・ヒイルによって、韓国社会における同性愛が正面から描かれた作品として話題となった作品です。
 
同性愛を真正面から描いた作品ということで、ゲイ風俗やゲイ(同性愛者)の地位の低さなど、ゲイの背景をよく描いている作品だと思います。またセリフや描写をなるべく少なく、役者陣の演技力で表現されている部分も多く、視聴者に考える余地をかなり残している作品だなと感じました。特にラストは「え?そうくる!?」とちょっと驚きました。
 
基本的には「御曹司✕男娼」という関係性がすごく活きている恋愛映画で、御曹司サイドは家(会社)と自分の立場で悩み、男娼サイドは御曹司とのあまりの身分差から今一歩踏み出せなかったりと言う……ジェミンをスミンを所詮火遊びの相手だったと割り切っていたら苦しまなかっただろう、スミンはジェミンをパトロンと割り切っていたらそこまで苦しまなかったろう、でも2人は愛し合っていたからこそ苦しんだ…というのが分かってたから観ているこちらも辛さが伝わります。

全体的に暗い雰囲気の映画ですが、2人が心を通わせているシーンなんかは明るく演出され、関係性に萌えられる恋愛映画として楽しめます。
 
後悔なんてしない02
映画『後悔なんてしない』より
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