
あらすじ
ゲイのアマチュア水球チームの奮闘を、実在するチームをモデルに描いたフランス発のスポーツコメディ。元オリンピック銀メダリストの水泳選手マチアスは、同性愛者に対する心ない発言への罰として、ゲイのアマチュア水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチに就任する。マチアスに課されたミッションは、弱小チームの彼らを3カ月後に開催される世界最大のLBGTQ+五輪「ゲイゲームズ」に出場させること。
パーティ好きで勝ち負けにこだわらない個性的なメンバーたちをまとめあげるべく、悪戦苦闘するマチアスだったが……。モデルとなった水球チームのメンバーであるセドリック・ル・ギャロが監督・脚本を手がけた。
映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』より
登場人物紹介&キャスト
マチアス(ニコラ・ゴブ)
競泳の元オリンピック銀メダリスト。ゲイ嫌い。スランプのことを執拗に問うてきたインタビュアーに差別発言をしたことから、水泳大会の出場は取り消し。その出場条件にゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチに就き、大会に出場させること。娘ヴィクトワールとの父娘関係もギクシャクしている。
競泳の元オリンピック銀メダリスト。ゲイ嫌い。スランプのことを執拗に問うてきたインタビュアーに差別発言をしたことから、水泳大会の出場は取り消し。その出場条件にゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチに就き、大会に出場させること。娘ヴィクトワールとの父娘関係もギクシャクしている。
ジャン(アルバン・ルノアール)
「シャイニー・シュリンプス」の創始者でリーダー。マチアスをコーチにしたのもジャンの希望。周りには病気であることを隠しながら、みんなと水球を楽しむ日々を送っている。
「シャイニー・シュリンプス」の創始者でリーダー。マチアスをコーチにしたのもジャンの希望。周りには病気であることを隠しながら、みんなと水球を楽しむ日々を送っている。
セドリック(ミカエル・アビブル)
チーム唯一の既婚者。夫ともうすぐ1歳になる双子を育てている。家庭よりも楽しい「シャイニー・シュリンプス」を優先しがちでよく喧嘩をしている。
チーム唯一の既婚者。夫ともうすぐ1歳になる双子を育てている。家庭よりも楽しい「シャイニー・シュリンプス」を優先しがちでよく喧嘩をしている。
アレックス(ダヴィド・バイオ)
銀行員。1年半前までジャンと交際していたが、今も別れを受け入れきれない。
銀行員。1年半前までジャンと交際していたが、今も別れを受け入れきれない。
ダミアン(ロマン・ランクリ)
人懐っこい。生まれてすぐに親に捨てられた過去があるため、チームメンバーを家族のように思っている。
人懐っこい。生まれてすぐに親に捨てられた過去があるため、チームメンバーを家族のように思っている。
ジョエル(ロラン・メヌ)
チーム最年長。長年ゲイとして戦ってきたこと誇りに思っているが、いろいろコンプレックスがあり偏屈。
チーム最年長。長年ゲイとして戦ってきたこと誇りに思っているが、いろいろコンプレックスがあり偏屈。
グザヴィエ(ジェフレ・クエ)
陽気で奔放。性に対しても奔放で若干トラブルメーカー。チームのことは大事に思っているが、活動費は滞納気味。
陽気で奔放。性に対しても奔放で若干トラブルメーカー。チームのことは大事に思っているが、活動費は滞納気味。
フレッド(ロマン・ブロ)
性別適合手術を受けたトランスジェンダーの女性。コートにピンヒールとファッショニスタでチームの振り付け担当。性別適合手術を受けたことにより、周囲と馴染めないでいたりする。
性別適合手術を受けたトランスジェンダーの女性。コートにピンヒールとファッショニスタでチームの振り付け担当。性別適合手術を受けたことにより、周囲と馴染めないでいたりする。
ヴァンサン(フェリックス・マルティネス)
チーム最年少で新入り。半年前にゲイだとバレ、故郷を出てパリにやってきた。まだゲイとしてオープンになれず悩んでいる。
チーム最年少で新入り。半年前にゲイだとバレ、故郷を出てパリにやってきた。まだゲイとしてオープンになれず悩んでいる。
▼映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』予告編▼
痛快なサクセスストーリー
『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち(Les Crevettes pailletées)』は、2019年のフランスのスポーツコメディ映画。LGBTQ+による世界最大のスポーツと文化の祭典「ゲイゲームズ」出場を目指す、実在するゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」をモデルにしたヒューマンドラマ。
監督・脚本は実際のシャイニー・シュリンプスのメンバーであるセドリック・ル・ギャロ。共同監督・脚本にマキシム・ゴヴァール。2022年には日本を舞台にした続編が公開される予定です。
実在するスポーツチームをモデルにと言われると、タイのバレーボールチームをモデルにした『アタック・ナンバーハーフ』を彷彿させますし、ゲイに対して苦手意識がある指導者がゲイで構成されたチームを立て直すサクセスストーリーは『ステージ・マザー』を思い起こさせます。
それらの映画に倣ってこの作品も、サクセスストーリーに重きを置いており、登場人物やその現状に悩みや問題点こそあれど、あっという間に解決していく様は、とても痛快で楽しめる作品となっています。
監督・脚本は実際のシャイニー・シュリンプスのメンバーであるセドリック・ル・ギャロ。共同監督・脚本にマキシム・ゴヴァール。2022年には日本を舞台にした続編が公開される予定です。
実在するスポーツチームをモデルにと言われると、タイのバレーボールチームをモデルにした『アタック・ナンバーハーフ』を彷彿させますし、ゲイに対して苦手意識がある指導者がゲイで構成されたチームを立て直すサクセスストーリーは『ステージ・マザー』を思い起こさせます。
それらの映画に倣ってこの作品も、サクセスストーリーに重きを置いており、登場人物やその現状に悩みや問題点こそあれど、あっという間に解決していく様は、とても痛快で楽しめる作品となっています。
映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』より
挑戦の旅路
サクセスストーリーであっという間に問題が解決していく…とは言ったものの、悩みの解決のほとんどは「挑戦」なのです。というのも、実はみんなセクシュアリティやジェンダーのこともあって、一歩前に踏み出せずにいて、その一歩を踏み出すことが「挑戦」なのだと思います。そしてその挑戦がラストの大会に集約されており、その挑戦した結果、大会に出れなかったメンバーもいたり、哀しい結果になった人もいたりしますが、それでも勝ち取ったものがあると思うと込み上げてくるものがあります。私個人的には、メンバー唯一の既婚者で双子のお父さんであるセドリックの出した結論は、はじめは驚きはしたものの、今まで問題から逃げてきた彼にとっては、大きな挑戦で、その場面でその決断ができることはすごいことだなと感じました。
そしてその挑戦の目玉はゲイフォビックな発言をし故にゲイチームの監督をせざるを得なかったマチアスの心境の変化でしょう。ただでさえゲイ嫌いなのに、チームメンバーは勝敗よりも楽しさ優先、水球なのに振り付けパフォーマンスがあるという独特の文化、楽しさを求めるあまり羽目を外すメンバーたち、マチアスはこれでもかと頭を抱えます。
個人的にはそのマチアスがゲイフォビックな考えを改め友好的になっていくんだろうなぁと思っていたのですが、ラストに向かってゲイたちへの嫌悪的な態度は軟化していくものの、マチアスはほぼ最後までゲイフォビックな考え方があります。これを一貫しているのは凄くて、なかなかゲイに対しての嫌悪感は拭い去ることはできない、だけれど見方を変えることで憎悪を向けてくることはないというメッセージ性を感じることができました。
映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』より
まとめ
サクセスストーリーではあるものの、ただ楽しいだけの作品と言うわけではなく、ゲイに限らず誰しもが持っているような悩みを同じようにゲイの人たちも悩み、それに向かって挑戦する権利があるとも勇気づけられる力強い作品です。実際のシャイニー・シュリンプスのメンバーは勝ち負けにはこだわらず、一緒にいることに楽しみを見出す、ゲイの水球同好会。ここ数年、試合には勝っていないが、練習とコスチューム制作は欠かさないということで、試合に出場して狙うは“最優秀雰囲気”賞なんだそうです。ユニークですねぇ。
映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』より
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