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アニメや漫画などでLGBTQなキャラクターが登場することは昨今多くありますが、メディア展開する際にキャラクターの造詣を変更することも多くあります。その際に原作や史実でLGBTQだったキャラクターたちが消されてしまうこともしばしば。今回はそんな消されてしまったLGBTQ作品に焦点を当てて5つご紹介します!!



【恋のライバルが恋の相手に!?】実写映画版ハルチカ【邦画】

ハルチカ01
▼映画『ハルチカ』予告編▼
【あらすじ】
高校に入学し、憧れの吹奏楽部に入ったチカ。しかしそこは廃部寸前で、どうしてもフルートをやりたいチカは、ホルン経験者の幼なじみハルタを巻き込み部員集めに奔走する。やがてワケありばかりながら、どうにかメンバーを揃えて部の復活にこぎ着けたチカたちだったが…。

まずご紹介するのは『劇場版ハルチカ』。原作は初野晴さんによる小説で2016年にテレビアニメ化、2017年には実写映画化されチカ役を橋本環奈さん、ハルタ役を佐藤勝利さんが演じました。イレイザーされてしまったのは実写映画版で、ハルタが同性である草壁先生に恋をしている役でしたが、実写映画ではその設定はなく、原作ではライバル関係のチカとのラブロマンスがメインになっていました。
そうなってしまった原因は定かではないのですが、原作者の「チカとハルタ、草壁先生は絶対出すこと」の言葉を拡大解釈してしまったのかな?と思います。また原作小説はミステリーなのですが、実写映画は残念ながらミステリー要素はほぼ鳴りを潜めてしまったため、キャストファンは喜んだのかもしれませんが、原作ファンは残念な実写映画だったかと思います。

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【史実を捻じ曲げられて】ストーンウォール【アメリカ映画】

ストーンウォール
▼梶裕貴が吹き替え!ゲイバーの反乱描く映画『ストーンウォール』本編映像▼
【あらすじ】
1969年にニューヨークで起こった暴動事件「ストーンウォールの反乱」をとりあげ、セクシャルマイノリティの若者たちを描いた人間ドラマ。
1960年代当時、アメリカでは同性愛は精神疾患とみなされていました。同性愛者は非常に厳しい状況におかれ、雇用禁止をはじめ、店で酒を飲むことも禁止されていました。ダニーという若者が、長距離バスに乗って、ニューヨークにやって来ます。彼が訪れたのはグリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリート。自由な雰囲気のあるこの場所は同性愛者のコミュニティがあり、アメリカ全土から自由を求めた人々が集まっていました。しかし、このニューヨークにおいてすら、ゲイの暮しは過酷なものでした。バーにはたびたび警察の捜査がはいり、何かと理由をつけては逮捕され、レイたちは客から暴力を受ける日々。ダニーも警官から理不尽な暴力を受け、身も心もずたずたになってしまいます。

続いての作品は2015年に公開された映画『ストーンウォール』。こちらの作品はレインボーパレードのきっかけにもなったストーンウォールで実際に起こった事件をモチーフに描かれました。しかし架空の主人公・白人のゲイ男性ダニーを仕立て上げたことで批判の対象に。
作中でダニーがおこなった事件のきっかけになった出来事は本来はトランスジェンダーや有色人種だったこともあり、それを白人の男性に置き換えるということはそのトランスジェンダーや有色人種の人たちを消してしまったことになります。そのほか、レズビアンのキャラクターの少なさなど、史実とは全く違った…むしろ功績を取り上げるような改編には大きな批判に繋がりました。

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【スポンサーから待ったがかかって】実写映画版 MW(ムウ)【邦画】

MW(映画)
▼MW-ムウ₋予告編▼
【あらすじ】
政府が闇に葬った集団殺人事件の生き残りである2人の青年が辿るその後の運命を圧倒的スケールで描き出す。16年前、“沖之真船島”で島民全員が一夜にして虐殺される凄惨な事件が発生した。しかし、何故かこの事実は政府によって隠匿される。だがこの時、2人の少年が奇跡的に助かり、ひとりは神父として、もうひとりはエリート外資銀行員として現代社会に身を置いていた。

続いての作品は実写映画版『MW(ムウ)』。原作は手塚治虫さんによる同名作品ですが、2009年に実写化された映画では、大まかなストーリーは踏襲しているもののキャラクターの名前も微妙に変えていたりとかなり改編がされました。
その中でも話題になったのが主人公の男性2人の関係。原作では肉体関係があり依存にも近いものがありましたが、実写映画ではそれらの同性愛要素は全カット!これに関しては監督もキャストもキャストの事務所もOKを出したのに、スポンサーがNGを出したためだそうです。苦肉の策として監督はほんの匂わせ程度に2人の肉体関係を示唆するものを入れたのですが……ほぼ分からず、結局同性愛要素は消されてしまったに等しい作品となってしまいました。

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【コラボポスターで…】マティアス&マキシム【カナダ映画】

マティアスマキシム
映画『マティアス&マキシム』より
【あらすじ】
30歳のマティアスとマキシムは幼馴染。その日も一緒に仲間のパーティへ向かうが、そこで彼らを待ち受けていたのは友達の妹からの、あるお願い。
彼女の撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人だが、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気付き始める。美しい婚約者のいるマティアスは、思いもよらぬ相手へ芽生えた感情と衝動に戸惑いを隠せない。一方、マキシムはこれまでの友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。

続いて紹介する作品は2019年のカナダ映画『マティアス&マキシム』です!映画は男性同士が惹かれあうラブロマンスになっているのですが、問題となったのはその広告。配給会社が、ソファに座っているマティアスとマキシムがキスをする2人という写真と同じ構図を「男女」に置き換えたイラストのポスターを公開したのです。
このイラストポスターは映画『溺れるナイフ』のコラボレーションだったのですが「同性愛を軽視している」と批判が殺到し炎上。その後は謝罪文を掲載しポスターは取り下げられました。

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【無性愛者から異性愛者に】リバーデイル【海外ドラマ】

リバーデイル
▼青春ドラマ『リバーデイル』予告編▼
【あらすじ】
健全で平和な町「リバーデイル」。 そんな、恐ろしい出来事とは無縁の素朴な町で、高校生ジェイソン・ブロッサムが殺害される事件が起きます。 同じ高校に通う主人公アーチーや、幼なじみのベティ、ジャグヘッドたちの日常も、それがきっかけで、少しずつ変わっていくことに。

最後に紹介するのは2017年から公開されているアメリカのテレビドラマ。日本ではNetflixで配信されています。話題になったのはジグヘッドというキャラクターです。ジグヘッドは原作コミックでは無性愛(アロマンティック)だとされているのに対して、実写ドラマシリーズでは異性愛、もしくはデミロマンティックに変更になったことで、Aセクシュアル界隈では落胆の声が大きかったそうです。
というのも色恋が描かれないキャラクターは無性愛(アロマンティック・アセクシュアル)ではなく、同性愛か異性愛にされてきた過去があり、無性愛をいないものとして扱われた過去がありました。なので今回ののようにはっきりと無性愛者だと明記されているキャラクターが改編で性的指向が変更されたことに失望した人が多かったようです。

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いかがでしたでしょうか。今回は【消されてしまったLGBTQ】と題して、大人の事情やいろんな要因があって消されてしまったLGBTQな作品を紹介しました。異性愛者にされたり、描写カットされたり、無思慮からくるものだったりとさまざまでしたね。実際はまだまだこういった【消されてしまったLGBTQ】な作品はたくさんあると思うので、こんなのあるよ!ってのは教えてくださいね!


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