ただの友達


内容紹介

『ただの友達?(原題:친구사이?、英題:Just Friends?)』は、金趙光秀が監督した2009年の韓国映画。2008年の映画『少年、少年に会う(소년, 소년을 만나다)』に続く、2作目のゲイを主題にした映画であるで、2010年には同じくゲイを題材にした『愛は100℃(사랑은 100℃)』が公開された。

日本では、2013年に劇場公開され、その後、『少年、少年に会う』と『愛は100℃』をまとめて収録したDVDが『ただの友達?』のタイトルで発売されました。

金趙光秀監督はゲイであることを公表しており、男性のパートナーもいます。他の作品には御曹司と男娼の恋を描いた『後悔なんてしない』やゲイとレズビアンの偽装結婚を描いた『二度の結婚式と一度の葬式』などがあります。

▼映画『ただの友達?』『少年、少年に会う』『愛は100℃』オリジナル予告編▼



『少年、少年に会う』

【あらすじ】
ミンスがバスの中で落としてしまったカメラのフィルムがソクイの足元に転がってしまい、出会いが始まる。彼らの交わした視線からお互いに燃え上がるものを感じ、ミンスは恋仲に発展することを期待するも、2人の出会いはそこで終わり。ミンスはがっかりしたが、妖精が登場し、歌を通して愛についてミンスにアドバイスをします。

【感想】
『少年、少年に会う』は歌はあるけどセリフなしで13分の短い映画です。男の子と男の子が恋愛的出会いをするというシンプルなストーリーですが、実は……な展開もある映画です。ラブロマンスでありながら、コメディ色が強い作品で(唐突に妖精が出てきたときはビックリした)、他の作品と比べてもBLっぽさがあるかなと感じました。

ただの友達01
映画『少年、少年に会う』より

『愛は100℃』

【あらすじ】
聴覚に障害を持つ青年ミンスは、銭湯で働く青年と衝動的に性行為をする。それ以来、ミンスは銭湯に通うようになる。自分がゲイであることを確信できない思春期の青年の葛藤を、切なくエロティックに描き出す。

【感想】
『愛は100℃』は他の2作品と違って内容はかなりヘヴィです。同性に対して性的な感情はあるものの、それを自分の中で咀嚼できずにいて、そんな中に出会ったアカスリの青年と交わったことで、自分のセクシュアリティをだんだんと自覚する……といったお話。そして自覚したはいいけれど、同性に対して恋をするということはいけないことなんだと植え付けられてしまうという、なかなかに重い展開でした。

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映画『愛は100℃』より

『ただの友達?』

【あらすじ】
ソクイは、軍に入っている彼氏のミンスと久々の面会に心躍らせる。久しぶりの再会に2人は喜ぶも、2人が恋人同士だとは知らないミンスの母親も来ていました。母親がいる手前、思い切りいちゃつけない2人はもどかしく感じ、翌日、ミンスの母親が教会に向かった後、2人は心置きなく交わるも、思いがけないミンスの母親が早くに帰ってきて、2人の関係を知られてしまい、さらには拒絶されてしまいます。

【感想】
『ただの友達?』は『少年、少年に会う』の続編みたいな感じ…なのかな?同性愛に厳しい韓国社会と親との関係を描いた作品で、作中で好きだった人がゲイだったと知り、嘆く女性なども出てきて、同性愛に限らず社会の恋愛の事情を映し出しているのかなと感じました。テーマとしては重ためですが『愛は100℃』よりは軽く、雰囲気としては『少年、少年に会う』に近く、前向きな描かれ方がされています。個人的にはエンドロールの最後、手を握り合ってるミンスとソクイのカップルにまたミンスの母親の邪魔が入るのですが、その表情が冒頭とは違っていて、その変化が面白いなと感じました。

ただの友達03
映画『少年、少年に会う』より

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