
20.30.40の恋
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あらすじ
台北へ向けフライト中の機内に三人の女性が乗っていた。マレーシア出身の小潔は20代。歌手になる夢を叶えるため、ひとり台北を目指す。CAの想想は、気がつけば30代。妻子持ちの医師、年下のレコーディング技師と二股をかけているが、恋愛と結婚の間で思い悩む。家族旅行帰りの莉莉は40代の主婦。
ビデオ撮影に熱中する彼女を、娘はメールに、夫は電話に夢中で相手にしない。やがて台北に到着した三人。小潔は契約先の事務所へ、想想は待つ者のいない自宅へ、そして莉莉は家族と共に帰宅の途に着くのだが・・・。
▼映画『20,30,40の恋』ミュージックビデオ▼
感想
『20.30.40の恋(原題: 20 30 40)』は、2004年に製作された香港・台湾・日本合作映画。監督は70~80年代の台湾&香港映画で活躍した台湾出身の女優で、90年代に監督へ転身したシルヴィア・チャン。今回は40歳代表のリリー役としても主演を務めており、原作・脚本は他のメインキャストのレネ・リウ、アンジェリカ・リーと共同で製作されています。
物語は歌手を夢見てマレーシアから来た20歳のシャオジエ、結婚には興味はないが男は複数欲しい30歳のシアンシアン、夫に裏切られセカンドライフを謳歌しようと画策する40歳のリリーをそれぞれ主人公に添えた群像劇。
それぞれの主人公が絡むことはありませんが、すれ違ったり、隣同士だったりとニアミスしており、3つの話が同時系列で進行していることを思わせてくれますし、視聴者目線から「あ!あそことあそこが繋がってるんだ!」という楽しみがあります。これも群像劇の醍醐味ですね!
物語は歌手を夢見てマレーシアから来た20歳のシャオジエ、結婚には興味はないが男は複数欲しい30歳のシアンシアン、夫に裏切られセカンドライフを謳歌しようと画策する40歳のリリーをそれぞれ主人公に添えた群像劇。
それぞれの主人公が絡むことはありませんが、すれ違ったり、隣同士だったりとニアミスしており、3つの話が同時系列で進行していることを思わせてくれますし、視聴者目線から「あ!あそことあそこが繋がってるんだ!」という楽しみがあります。これも群像劇の醍醐味ですね!

それぞれの世代の女の人生
この物語は「女の人生」を描いている作品で、10歳代~20歳代で無茶したこと、20歳代~30歳代で自分に正直すぎて八方塞がりになってしまったこと、30歳代~40歳代で自分の人生を見つめなおしたり新しいものにチャレンジしたりするのには勇気が要ること、などなどいろいろ思わせてくれます。さらには主役3人以外にも20歳シャオジエとユニットを組むことになる少女、シアンシアンの同僚CA、リリーの夫の不倫相手、寝たきりの老婆が登場しており、彼女らの物語も繋がっているようで、見れば見るほど、奥が深く、これら全ての女性キャラを含めて「女性の人生」を描いているように感じます。
また「女性の人生」を描いている作品だからこそ、極端なまでに男性視点は入れてこない手法も取っており、まさに、女性による女性のための女性の映画といったところ。
シャオジエの恋?模様
40歳代リリー、30歳代シアンシアンではなく、注目してほしいのは20歳代シャオジエ。正直自分の年代と近いキャラクターが、見ている人にとって刺さるキャラクターなのかと思いますが、シャオジエは他の2人と違って、恋だ愛だ結婚だというのはかなり薄いです。20歳代というよりかは10代後半といった感じ。そんな彼女のユニット仲間でルームメイトの少女は、かなりはっちゃけていて口も悪い、シャオジエにとってはユニット仲間やルームメイトというよりかは悪友といったそんな感じ。そんな少女はシャオジエに「女性同士でキス」をしたことあるか?と聞きます。これは恋愛云々ではなく悪ノリの延長かなと感じました。そして体の関係まで求めるような発言をしたり(これも多分悪ノリ)と、シャオジエを困惑させます。
結局少女には彼氏ができ、シャオジエは疎外感を覚えたり、不快感を露わにしたりしますが、正直な話、シャオジエと少女の想いはよく分かりません。思春期特有の一過性の思い込みのようにも描かれているし、女性が恋愛対象である可能性もあるように描かれているように感じました。
メタ的に言えば、前者で女の子がよく言う「若い頃って同性の子に憧れ抱いたりしたよねぇ~」を体現しているのかなと思いますけどね。
まとめ
今回『20.30.40の恋』のお話をしました。正直に言うと同性愛要素はかなり薄いです。観ている時も「これ面白いけれど、ブログで紹介するかどうかは悩むなぁ」って思っていたんですが、ラストのシャオジエの姿を見て、シャオジエの同性愛描写にどこか納得できました。同性愛描写は確かに薄いですが、20歳30歳40歳のそれぞれの恋模様…というか女の人生を描いていて面白いのでぜひ!ラストに向かって行ってどんどん物語が繋がっていく様はまさに群像劇の醍醐味ですね!
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