レビュー2207

おすすめレインボー作品5選の今回のテーマは【ドラァグクイーン】です!ドラァグクイーンと言えば派手な見た目と豪快さをイメージしている人も多いと思います。ただドラァグクイーンも一枚岩じゃなく、いろんなドラァグクイーンがいることが作品を通じで知ってもらえると嬉しいなと思ってピックアップしてみました!



【ドラァグクイーンロードムービー】プリシラ【オーストラリア映画】

プリシラ
▼映画『プリシラ』トレーラー※日本語字幕なし▼
 
【あらすじ】
オーストラリアのシドニー。鮮やかなコスチュームを身にまとい、ステージで踊るドラッグ・クイーンのミッチ。ある日のこと、アイススプリングスのホテルから、ショ―をやってほしいという依頼が舞い込みます。それは、結婚2年で別れたミッチの元嫁、マリオンからのオファー。
アイススプリングスに行くことを決心したミッチは、恋人を亡くしたばかりで悲しみにくれている中年のバーナデットと若くて騒々しいフェリシアをショーメンバーに誘い、古ぼけた大型のバス「プリシラ号」で、シドニーから3千キロも離れた、砂漠のど真ん中にあるホテルを目指し走り出しました。

まずご紹介するのは1994年公開のオーストラリアのロードムービー『プリシラ』です。ビーチサンダルを繋げたドレスなどドラァグクイーンならではな奇抜な衣装が素晴らしく、アカデミー衣裳デザイン賞などを受賞しています。見た目のとにかく派手で奇抜で明るいドラァグクイーンとは裏腹に、それぞれに悲しい過去があったり、都会以外ではゲイなどの性的マイノリティが受け入れらない田舎の閉鎖的な差別をも取り上げていたり、問題提起もされていて見応えがある作品です。

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【お悩み解決のパワフルドラァグクイーン】3人のエンジェル【アメリカ映画】

3人のエンジェル
▼映画『3人のエンジェル』トレーラー※日本語字幕なし▼
 
【あらすじ】
ニューヨークに住むドラッグ・クィーンのヴィーダとノグジーマは、イーストビレッジの(ウェブスターホールで毎年開催されるドラァグクイーンコンテストで優勝し、ハリウッドへの出場権を手にする。
ところが落選して失意に陥る親友のチチを見捨てられず、ヴィーダは航空券を売って中古のキャデラックを買い、3人でニューヨークからハリウッドまで2800マイルの旅に出る。

『3人のエンジェル(原題:To Wong Foo, Thanks for Everything! Julie Newmar)』は、1995年のアメリカ合衆国のロードムービー。ドラァグクイーンのロードムービーということで勘のいい人はお気づきかもですが、こちらの作品は上記のオーストラリアの映画『プリシラ(1994)』のハリウッドリメイクという位置づけです。しかしテーマ性は双方違っていて、『3人のエンジェル』は女性蔑視や女性差別をテーマにしています。そしてドラァグクイーンのパワフルさでお悩み解決していく様は見ていて元気をもらえる作品です。

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【母親を求めるドラァグクイーン】プルートで朝食を【愛・英映画】

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▼『プルートで朝食を』予告編▼
 
【あらすじ】
アイルランドの小さな町に住むパトリックは、生まれてすぐに教会の前に置き去りにされ、養子に出されたという過去があった。そんな境遇と、子供の頃からお化粧やキラキラした衣裳が好きな性格のため、周りから奇異の目で見られていたが、パトリックはお構いなしで毎日を過ごしていた。

『プルートで朝食を』は、2005年に製作されたアイルランド・イギリス合作映画です。ドラァグクイーンとはちょっと違いますが、派手な女装で、一応パフォーマンスもしているのでご紹介。母親を求めて旅をするお話ですが、重ためのテーマと設定なのに、内容はかなりコメディ寄りです。果たして母親に会えるのか、母親はどんな人物なのか、母親に会ってどうするのかと、目が離せない作品ですが、ラストの結末はなかなかに秀逸です。

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【靴屋の再建ストーリー】キンキーブーツ【英・米映画/ミュージカル】

キンキーブーツ
ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』
 
【あらすじ】
突然の父親の死で、伝統ある家業の靴工場を継ぐことになったチャーリー。経営回復を目指すものの、優柔不断なチャーリーは八方塞がりに。そこに現れたのが、美のカリスマ、ドラッグ・クイーンのローラだった!二人はドラッグ・クイーン御用達のSEXYブーツで工場の立て直しに挑む。冷たい反応を示す保守的な熟練職人たちを相手に、チャーリーとローラの大奮闘が始まった!前途多難な二人三脚、果たしてふたりは立ちふさがる数々の壁を乗り越えられるか?

『キンキーブーツ』は、2005年にイギリスとアメリカ合衆国の合作のコメディ映画で、実在の紳士靴メーカー 「W.J. Brookes Ltd」 がモデルになっています。実話を基に、イギリスの倒産寸前の靴製造工場の若いお堅いオーナーであるチャーリーと、そりが合わなそうなドラァグ・クイーンのローラがそれまで製造してきた紳士靴ではなく、ドラァグ・クイーン向けの特注靴の製造を計画し、共に工場の経営を立て直すサクセスストーリーです。映画を原作としたミュージカルの方も有名で、日本でも複数回にわたり公演されています。

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【ドラァグクイーンのアイデンティティ】ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ【アメリカ映画/ミュージカル】

ヘドウィグ
▼映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』予告編▼
 
【あらすじ】
全米各地を旅する売れないロック歌手のヘドウィグは、共産主義体制下の東ドイツで生まれ、幼少期に母親から「愛の起源」の話を聴かされる。アメリカ軍人ルーサーに出会い恋に落ちると、ルーサーと結婚してアメリカに渡れるように、母親はハンセルにヘドウィグの名とパスポートを与えて性別適合手術を受けさせたが失敗し、股間に「怒りの1インチ(アングリー・インチ)」が残された。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルで、その後2001年に映画もされたミュージカル映画です。旧東ドイツ生まれで性転換ロック・シンガーのヘドウィグが、幼い頃に母から聴かされたプラトンの「愛の起原」のような自分のかたわれである愛を探して全米各地を巡る物語で、彼女の人生を魂の歌と共に描いています。劇中で演奏されているロックな音楽、かなりキワモノなヴィジュアルをしたヘドウィグで、一見ドキツイ作品のようにも感じますが。その実とても愛にあふれた、愛を模索したストーリーを堪能できます!なによりただただド派手なドラァグクイーンが闊歩する作品と言うわけでもなく、アイデンティティを模索する作品でもあって、息を吞むラストは圧巻です。

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いかがでしたでしょうか。今回は【ドラァグクイーン】に関する作品をいくつかご紹介しました。その煌びやかな見た目にパワフルな生きざま、ドラマ性のあるバックボーンなどなど、見応え抜群な作品が多いですね。そして舞台映えすることもあって、ミュージカル作品もすごく多いですね。他にもたくさんドラァグクイーン作品あるので、気になった人は是非探してみてくださいね!

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