ドラゴン・タトゥーの女
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あらすじ
記者ミカエル・ブルムクヴィストは大物実業家ヴェンネルストレムの武器密売をスクープし、名誉毀損で訴えられ裁判で敗訴し全財産を失う。失意のミカエルに、別の大物実業家から電話がかかってくる。一族の謎を解明して欲しいとの依頼で、見返りに裁判判決を逆転させるような証拠を渡すという。謎とは、40年前に行方不明になった16歳の少女のことであり、一族の誰かに殺されたという。
依頼を引き受けたミカエルは、猟奇連続殺人に関わる一族の秘密を知ることになる。ミカエルは、彼に興味を持ったドラゴンの刺青をしたフリーの天才女ハッカーであるリスベットとともに捜査を進め、すべての謎と事件を解決していく。
▼映画『ドラゴン・タトゥーの女』予告編▼
キャラクター紹介
ミカエル・ブルムクヴィスト(Mikael Blomkvist)
経済ジャーナリストであり、雑誌『ミレニアム』の共同経営者兼発行責任者。大物実業家ハンス=エリック・ヴェンネルストレムの不正を暴きながらも名誉毀損で有罪判決を下され、『ミレニアム』から身を引くが、ハリエット失踪事件の謎を追う一環で、編集部に戻る。また、その調査の資料をリスベットがハッキングしたことをきっかけに、リスベットとの親交を持つようになる。
経済ジャーナリストであり、雑誌『ミレニアム』の共同経営者兼発行責任者。大物実業家ハンス=エリック・ヴェンネルストレムの不正を暴きながらも名誉毀損で有罪判決を下され、『ミレニアム』から身を引くが、ハリエット失踪事件の謎を追う一環で、編集部に戻る。また、その調査の資料をリスベットがハッキングしたことをきっかけに、リスベットとの親交を持つようになる。
リスベット・サランデル(Lisbeth Salander)
ミルトン・セキュリティーのフリーの調査員。情報収集能力に長けており、調査対象の人物の秘密を暴き出す能力がずば抜けて高い。感情表現が乏しい。髪を極端に短く刈り、鼻と眉にピアスを付け、左の肩甲骨から腰の当たりにかけてドラゴンのタトゥーを、首には長さ2cmのスズメバチのタトゥーを、左の二の腕と足首の周りに帯状のタトゥー等9つ施している。
映像記憶能力と文章能力が大変優れていて、コンピューターの知識にも優れ、ハッキング能力も高い。過去の虐待のトラウマを負っている影響で、敵とみなした人物には容赦なく制裁を加える攻撃的な面を持つ。
ミカエルに対し、今まで誰にも抱いたことのない感情を抱き、困惑しながらも恋をしてしまったのだと気づく。

感想
『ドラゴン・タトゥーの女(The Girl with the Dragon Tattoo)』は、スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム』シリーズの『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を原作としており、2009年にスウェーデン映画として『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』として公開、その続編にあたるミレニアムシリーズ『火と戯れる女』『眠れる女と狂卓の騎士』も映像化しています。2011年には『007』シリーズより6代目ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグをミカエル役に、『キャロル』のルーニー・マーラをリスベット役にしてアメリカで映画化。2018年にはミカエル役にスヴェリル・クドナソン、リスベット役にクレア・フォイにて原作の続編にあたる『蜘蛛の巣を払う女』も映画化しています。
私は2011年公開の『ドラゴン・タトゥーの女』は観ているのですが、映画好きの友人によるとスウェーデン版のもかなり面白いらしいので、いつか見てみたいですね。内容はサスペンス・ミステリーって感じですが、かなり性的な面や暴力的な面で過激な描写も多いので、少し驚きました。
謎解き要素大好きなので、謎に立ち向かう姿や真実に迫る瞬間は、ドキドキハラハラ、ミカエルとリスベットの恋人のような友人のような仕事仲間のような関係も映画の見どころのひとつかもしれませんね。

映画『ドラゴン・タトゥーの女』より
リスベットのセクシュアリティ
リスベットは作中で様々な人と性的な関係を持ちます、それは強制であったり、合意だったり……その中には女性もいたり、過去男性だけでなく女性とも関係を持っていることを示唆するセリフが合ったります。それだけ聞くと、かなり性に奔放なバイセクシュアル、もしくはパンセクシュアルのように描いているのかなと思います。しかし、原作では「リスベットは男女とも関係を持つが自分をレズビアン・バイセクシュアルというふうに考えたこともなく、そんなレッテル貼りに興味もない。誰と寝ようが他人に関係ない、という考え」とのことで、彼女なりのアイデンティティをしっかり持っていることが分かりますね。
それにしても「遠目から見たら痩せすぎの少年」という外観を持つリスベット、そらに破天荒な性格に壮絶な生い立ち。かなり設定盛り盛りなキャラクターですが、それを演じるキャストは凄いなと改めて思います……。
映画『ドラゴン・タトゥーの女』より
まとめ
今回、リスベットのセクシュアリティをメインに触れていますが、作品自体はミステリーでどんどん暴かれる真実は見ていて心地よく、またミカエルとリスベットの関係もなんだか好きな作品です。とりわけ2011年版の『ドラゴン・タトゥーの女』でリスベットと演じたルーニーに惚れ惚れする作品だと思います。前半のリスベットは誰も寄せ付けず、刺々しさがあり、まさにクレイジーといった感じでしたが、後半ミカエルと組んでからはそれまでのクレイジーはそのままに、時折優しさを見せるといった心の絶妙な変化は圧巻でした。
個人的には好きなシーンは地下鉄で鞄をひったくった男を追いかけて、殴りつけ、鞄を取り返し、予定通り電車に乗る。この一連の流れは、物語に大きく関わったりしないのですが、リスベットの底力というか、誰にも屈しないという精神の表れと言うか、そういった彼女のキャラクター性が垣間見れて、なんとなく好きなシーンですね!いつかスウェーデン版も観てみたいですね!

映画『ドラゴン・タトゥーの女』より
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