今も昔も根強い人気のあるアニメ『クレヨンしんちゃん』。クレヨンしんちゃんには原作アニメ共に数多くのいわゆる「オカマキャラ」が登場します。それは劇場版であっても変わらず、初期の頃は必ずオカマキャラ出てくるといった徹底ぷり。今回はそんな劇場版クレヨンしんちゃんから、気になる「オカマキャラ」をご紹介します!
※「オカマ」は本来蔑称として扱われますが、しんちゃん映画の内容に合わせて「オカマ」という単語を使っています。ハイグレ魔王『アクション仮面VSハイグレ魔王』
【あらすじ】
まずは記念すべき第1作目1993年公開の『映画クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』より本作のボスキャラ【ハイグレ魔王】!!1作目からボスがオカマってかなりぶっ飛んだ設定ですが、それもクレヨンしんちゃんだからなせる業!見た目(顔)はしんちゃんは「おねいさ~ん」と言ってしまうほど女性的だけど、怒ると声や性格が男性的になるという当時のオカマキャラあるあるも健在。アクション仮面に「男らしくないぞ」と言われ「私はオ・カ・マ」と言ってのけるなど、なんだか憎めない敵キャラとなっていました。
サリー&ニーナ『映画 ブリブリ王国の秘宝』
【あらすじ】
続いての作品は1994年公開の2作目『映画クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』から敵幹部のオカマ2人組のサリーとニーナです。こちらでは前作のオカマキャラ・ハイグレ魔王とは違って敵幹部の2人組であり、さらに見た目もハイグレ魔王のように一見綺麗で女性的な顔立ちとは違っていて、男性的な見た目に女性的な口調のニーナと女性的な格好はしているが髭の剃り跡があるサリーというオカマ像。敵キャラクターとして登場したものの「オカマは気まぐれなのよ」と寝返り、しんちゃんの味方になるのも特徴的ですね。
マカオとジョマ『映画 ヘンダーランドの大冒険』
【あらすじ】
続いて紹介するのは1996年公開の第4作目『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』より敵のボスキャラ・マカオとジョマです!第1作のハイグレ魔王同様にボスキャラであり、第2作目のサリーとニーナ同様2人組というキャラクター。見た目は2人ともバレーダンサーのような恰好をしており、金髪で禿げ頭で男役の格好をしている方がマカオ、黒髪でツインシニヨンしている方がジョマです。2人は短い登場時間ながらも強烈なインパクトを残し、クレヨンしんちゃん映画界でも高い人気を誇っています。
珠由良ブラザーズ『映画 暗黒タマタマ大追跡』
【あらすじ】
続いてご紹介するのは97年公開の第5作目『映画クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』より3人組のオカマ・ロード、ラベンダー、レモン!ちなみにこの作品はしんちゃんの妹ひまわりの映画デビュー作でもあります。『ブリブリ王国の秘宝』のサリーとニーナ、『ヘンダーランドの大冒険』のマカオとジョマの2人組オカマに飽きたらず、とうとう3人組のオカマが出てきました。見た目は全員坊主頭で、青髭を蓄えて太っているローズ、全体的に女性的なラベンダー、どちらかというと男性的なボディラインのレモンというバラエティー豊かな3人。一番の特徴は敵キャラではなくほぼ最初から味方であること。これまでのしんちゃん映画においてオカマキャラ=敵キャラという構図をここで打ち砕きました。
この作品がテレビ放送された際、2度目の放送以降は「オカマ」という単語を含むセリフがあるシーンが全てカットされ、これ以降もオカマキャラクターがアニメ版に登場することは少なくなり「オカマ」と言う言葉は一切使用されなくなりました。
春日雪乃『映画 雲黒斎の野望』
【あらすじ】
最後にご紹介するのはちょっと変わり種!1995年公開のシリーズ第3作目『映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』よりメインゲストキャラクター吹雪丸の妹・春日雪乃というキャラクター。クレヨンしんちゃん映画界においてかなり異色で、実は男性であるが、生まれつき自分を女性と思っているというキャラで、つまり性同一性障害のキャラを当時から反映させているのはかなり異色。春日雪乃の事情が原因で吹雪丸は女性でありながら男として養育され、剣士として育てられたという経緯がある。オカマキャラ?とは違うのかもですが、作中でしんちゃんが「オカマのおねいさん」と言っていたり、しんちゃん映画では珍しい立ち位置なのでご紹介しました!
ちなみに吹雪丸も雪乃も映画版と漫画版とで違う設定で、漫画版では吹雪丸は口調が女性の男性で、しんちゃんも女性だと思い込んでいたほど、そして雪乃はシスジェンダー女性で性同一性障害などの設定はありません。
いかがでしょうか。このほかにもそれまでオカマキャラと言えば強く好戦的というキャラが多かったのに対して、戦いは好まず扱いもほぼモブなアンジェラ青梅(『電撃!ブタのヒヅメ大作戦(98年)』)や公式で「男女関係ないグローバルな人」と説明された人気ネタキャラトラックの男(『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード(03年)』)など、敵、モブ、味方などさまざまな場面でオカマキャラ・オネエキャラが登場します。
しかし「オカマ」という単語が蔑称と呼ばれるようになり、オカマキャラ・オネエキャラをネタにするのはいかがなものかという風潮も高まっていて、昨今はクレヨンしんちゃん映画でも登場は激減しています。少し寂しい気もしますが、時代の流れ上にどうしょうもない部分ですね(それでもしんちゃん映画は結構チャレンジャーな方だと思う)。みなさんも是非しんちゃん映画でお気に入りキャラを見つけてみてくださいね!
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