今回はグザヴィエ・ドラン監督作品をご紹介します!彼は19歳で監督デビュー、その作品が評価されその後も順調に映画監督としての地位を確立しています。彼自身ゲイであることを公表しており、自身の体験を作品に反映させ、手がけた多くの作品でLGBTQのキャラクターが登場するのも特徴です。それで早速ドラン・ワールド全開の作品たちを見てみましょう!
【渾身のサイコスリラー】トム・アット・ザ・ファーム【同性愛】
『トム・アット・ザ・ファーム(2013)』は、グザヴィエ・ドランが監督し主演したサイコスリラー映画です。ドラン監督と言えば恋愛要素が強くちゃんとオチをつける作品がこれまで多かったのですが、この作品ではメインはサイコサスペンス。サスペンスのドキドキと散りばめられたメッセージ性が楽しい作品です!
【恋人が女性になりたいと告白してきたとき…】わたしはロランス【トランスジェンダー/性同一性障害】
続いて紹介するのは『わたしはロランス(2012)』はドラン監督作品では珍しいトランスジェンダーがテーマです。30歳になり女性として生きたいと告白した夫とその妻のなんとも言えないラブストーリーです。個人的には恋のキラキラやドキドキというよりも愛のしっとりとした重みのある感じがいい意味でドラン監督なくて好きです。
【キスから始まる恋のときめき】マティアス&マキシム【同性愛】
『マティアス&マキシム(2019)』はこれまでのドラン監督とは違って、コメディ調でもなく詩的でもなく、真っ向から男性同士の恋のときめきの分かるラブロマンスを描いた作品で、それでいて作品全体に散りばめられた暗喩は健在。『トム・アット・ザ・ファーム』のようなふわっとしたエンディングなど、個人的には一番好きな作品です!
【家族に余命を伝えに…】たかが世界の終わり【同性愛/家族】
『たかが世界の終わり(2016)』は、ゲイを主人公としていますが、恋愛ではなく家族の物語。ドラン監督はもともと『マイ・マザー(2009)』『Mommy/マミー(2014)』など家族の物語を得意としていて、こちらの作品は「家族は家族でも分かりえるとは限らない」という分かりやすいメッセージ性があって面白いです。
【恋するもどかしさとほろ苦さ】胸騒ぎの恋人とめ【同性愛/三角関係】
『胸騒ぎの恋人(2010)』は比較的初期のドラン監督作品。ある男性に魅了された男性と女性、2人の苦悩を描いている作品で、コメディ調が強い作品だと思います。男女が親友でひとりの男性を取り合うって言う構図も面白ですよね。途中足の引っ張り合いをしていたりするけど、やっぱり親友なんだと思える箇所があって、そんな2人のやりとりが楽しめる作品になってます!
いかがでしたでしょうか。お気づきの方もいるかもですが、ドラン監督は役者業もやっており、今回紹介した作品では『胸騒ぎの恋人』『マティアス&マキシム』『トム・アット・ザ・ファーム』でも主演で出演しています。ドラン監督作品は確かにカラーと呼ばれるドラン監督独自のものはありますが、それはそれとして年々表現力が研ぎ澄まされているように感じます。監督業、役者業、それぞれのグザヴィエ・ドランに今後も目が離せないですね!