映画では性同一性障害を扱った作品ってチラホラありますが、漫画作品でもあります!というわけで!今回は漫画作品に絞って、性同一性障害のキャラクターが出てくる作品を紹介します!作中で明確に「性同一性障害だ!」って言っている作品は少ないですが、「これもそうかな?」というのも含めて紹介しますね!
【性別違和を抱えた子供たち】放浪息子【漫画/アニメ】
「女の子になりたい男の子」である二鳥修一は、転校先の小学校で、背が高くてかっこいい女の子高槻よしのと出会う。最初は女の子になりたいという気持ちを隠し通していた修一だったが、クラスメイトの千葉さおりに偶然女装しているところを見られてしまう。かねてから修一に好意を持っていたさおりは、それ以来彼を積極的に女装させたがるようになり、誕生日にワンピースを贈る。
性別違和を扱った作品と言ったらこれは外せない志村貴子による漫画『放浪息子』。2002年から2013年まで連載され、2011年にはテレビアニメ化もされました。
作中では明確に「性別違和」や「性同一性障害」といった言葉が使われていないですが、主人公の似鳥修一くんは明らかに性別違和を抱えている子どもとして描かれています。似鳥くんの場合、性別違和があるのは分かるし、女性装をすれば可愛らしくなれることも自覚しているだけに、それ以上何をしていいか分からない感じがしてもどかしくもあります。
また似鳥くん以外にも性別にまつわるさまざまなキャラクターがたくさん登場します。
【ギャルドラマーは男の娘!?】無頼男-ブレーメン-【漫画】
露魅王の中にロック魂を見出した麗児は自分がバンド活動を目指していることを打ち明け、露魅王を仲間に誘う。最初は乗り気でなかった露魅王であったが、不良集団との乱闘を経て「世界一有名な男になってやる」という野望をロックで叶えることを心に決め、麗児と共にバンド仲間を探すべく東京へと向かうのだった。
お次に紹介するのは週刊少年ジャンプで2000年から2001年まで連載されていた梅澤春人による漫画『無頼男-ブレーメン-』。この作品では見た目は色黒ギャルのドラマーのリョウというキャラがいます。このキャラは見た目こそギャルギャルしい感じですが、実は男で、「オカマ」と言われるとブチキレるというキャラクター。
単なるネタキャラかと思いきや、男であることを苦痛に感じ、男の格好をすると嘔吐し自殺を考えるほど。また将来的に性転換手術したいと言うほど性別違和を抱えているキャラクターです。リョウの親はそれを良しとは思っておらず作中で壮大な親子喧嘩を繰り広げます。
【自分を偽る苦しみ】ファイアパンチ【漫画】
次に紹介するのは2016年から2018年まで連載されていた藤本タツキによる漫画作品『ファイアパンチ』。文明崩壊後の世界で、消えない炎に焼かれながら生き続ける青年・アグニを主人公とした物語です。
この作品にはトガタというキャラクターがいます。よく下ネタを言い、ひょうきんな性格ですが、身体は女性、性自認は男性のトランスジェンダーであることが分かります。そして性別適合手術を受けたいと考えていても「再生の祝福」のせいで手術もできないことに苦悩し、自分を偽るほかなかったキャラクターです。嘘が見破られ彼の焼かれるような吐露はとても目を見張るものがあります。
【学校はなにもかも男女で分かれている】SKET DANCE【漫画】
続いて紹介するのは週刊少年ジャンプで2007年から2013年まで連載された篠原健太による日本の漫画『SKET DANCE』。2011年にはテレビアニメ化もされました。
人助けを目的とした高校の部活動「スケット団」の日常と活躍を描いた学園コメディ漫画。スケット団が学校の生徒からの依頼を解決しようと奮闘する様子を、ギャグを中心に、謎解きあり、感動ありと様々な要素を絡めて描かれています。
ほとんどの漫画作品は性別違和や性同一性障害を表現しながらも避ける傾向にあった「性同一性障害」という疾患名をしっかり出してくるのは珍しいです。謎解き要素もある作品なのであまり語ってしまうとネタバレになってしまうのですが、自分の希望した性別に見てもらえることがどれほど心が救われるか、そしていかに学校生活は性別で分かれているかが分かるエピソードです。
主人公のボッスンはこれを通して人助けとは「理解者になること」「背中を押す事」と答えています。
【最強四天王は男の娘!?】明稜帝 梧桐勢十郎【漫画】
最後に紹介するのは、かずはじめによる漫画で、少年ジャンプで1997年から1999年まで連載されていた『明稜帝 梧桐勢十郎』。私立明稜高校を舞台に、生徒会長・梧桐勢十郎と彼の周囲で起こる様々な騒動が描かれている学園漫画です。
その登場キャラクターのひとりで、主人公の勢十郎を婚約者だと言い張る美少女、しかも四天王に名を連ねるほど武術も心得ているミユキというキャラクターがいます。ミユキは所謂男の娘と言うキャラで、見た目をも武器にするため勢十郎や他の四天王も苦手としています。
性同一性障害とはちょっと違いますが、幼い頃の経験から男であることを拒否し、女性として生きることを選んだという複雑なキャラクターです。当時の時代的にまだ性同一性障害という言葉が一般的ではなかったけれど、広い意味では性同一性障害なのかなって思っています。
いかがでしたでしょうか。今回は『性同一性障害なキャラクター』をテーマに紹介してきました!ジャンプ系に偏っているのは私の読む漫画が偏っているからだと思います!性別違和を抱えている性同一性障害のキャラクターと男の娘や女装している男の子の線引きがあいまいな作品も多くて「これは…どうかな…」と思う作品も結構ありましたw
他にも「この作品にも性同一性障害のキャラいるよ!」ってあったら是非教えてください!
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「この作品にも性同一性障害のキャラいるよ」ですと、男の娘ものに多いかなと思ったら、意外に「無理やり女装させられた(本人は嫌)」「潜入などの目的のための変装」「可愛くはなりたいが性自認・女とは別」というのが割と多いんですよね・・・
性同一性障害設定で多分間違いないと思えるものだとホモセクシャルと混同が見られるんですが『兄がライバル!』(原作:かさまひろゆき/作画:宮月もそこ)。
(宮月先生による公式サイト) https://mosoko.jp/blog-aboutanigara/
表題は主人公(女)と男の娘な兄の晶が彼氏をめぐって三角関係な内容の事なのですが、ホモセクシャルと混同疑惑というのが、晶は劇中ほぼ常時女装姿で、主人公から「兄」と言われるのも嫌がる場面があるなど性自認が女としか思えないのに、なぜか七夕ネタの回で「日本で同性婚が認められますように」とお願いする場面があるんですよねぇ…。
(これ2010年代前半の漫画なんだけど)
・・・そこは「早く性転換手術ができますように」とか「これ以上二次性徴が進行しませんように」にならないかな?