天才画家ダリ


あらすじ

1922年、スペイン・マドリード。画家になりたいと願う青年サルバドール・ダリは、サン・フェルナンド王立美術学校へ入学。そこで彼は駆け出しの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカ、映画監督志望の若者ルイス・ブニュエルの2人と親しくなる。

若い3人はそれぞれの夢を語り合い、親密さを増していく。サルバドールとフェデリコはやがて、互いに友情以上の感情を抱き始めるが、そんな2人の様子に疎外感と嫌悪感を抱いたルイスは一人でパリへと旅立つ。サルバドールもまた、フェデリコが望む関係にどうしても踏み切ることができず、フェデリコを避けるようにパリへと向かうのだったが...。

▼映画『天才画家ダリ 愛と激情の青春』冒頭映像▼


登場人物紹介&キャスト

【登場人物紹介&キャスト】
フェデリコ・ガルシア・ロルカ(ハビエル・ベルトラン)
スペイン・グラナダ県出身の詩人・劇作家。アンダルシアのジプシーを詠んだロマンセ歌集『ジプシー歌集』が代表作である。音楽、絵画においても多彩な才能を示したが、そのリベラルな作品と言動のため、スペイン内戦の際にファランヘ党員によって銃殺された。作品の質のみならず、その悲劇的な最期も人気に一役買っていると言われる。
本作の主人公で、ダリに対して熱烈な想いを抱くも、叶いそうで叶わない想いであることにも自覚し、苦悩する姿が描かれています。

サルバドール・ダリ(ロバート・パティンソン)
スペイン・フィゲーラス出身の画家でシュルレアリスムの代表的な作家として知られる。妻はガラ・エリュアール=ダリ。ピンと上にはねた口ひげや解けた時計の絵でなんとなく知ってる人も多いかと思います。またチュッパチャップスのデザインの元を考えた人物としても有名です。
本作はロルカの死後に沈黙を通したダリが、死の直前になって語ったロルカとの思い出話から着想を得て作られた作品だそうです。

ルイス・ブニュエル(マシュー・マクナルティ)
スペイン出身、のちにメキシコに帰化した映画監督、脚本家、俳優で、フランス、スペイン、アメリカ合衆国、メキシコ、国境を越えて多種多様な映画を撮った。特にシュルレアリスム作品とエロティシズムを描いた耽美的作品で有名である。キリスト教に関する作品もあり、物議を醸した。短篇『アンダルシアの犬』をサルバドール・ダリと共同監督する。
本作ではロルカとダリの仲良し3人組としても描かれています。

天才画家ダリ02
映画『天才画家ダリ 愛と激情の青春』より

感想

『天才画家ダリ 愛と激情の青春(Little Ashes)』は、2008年公開のイギリス・スペイン映画。劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカの青春と死を、画家サルバドール・ダリや映画監督ルイス・ブニュエルとの交流を通して描いている作品です。邦題ではダリが主人公のように書かれていますが、あくまで本作の主人公はロルカで、本編最後のクレジットによれば、ロルカの死後に沈黙を通したダリが、死の直前になって語ったロルカとの思い出話から着想を得て作られた作品だそうです。

ロルカとダリの出会いから最期の別れまでを描いた伝記映画で、ロルカのダリに対する恋愛感情やそれに対するダリの戸惑いを中心に描かれていて、伝記映画ではあるものの、ブロマンスやロマンス映画のような雰囲気のある作品です。

また作中では「同性愛は違法」という意識が根強く、それに対してロルカやダリが苦悩するという社会的弱者故の苦悩や、離れて分かる焦燥などもしっかり描かれていて、伝記映画ではあるもののメッセージ性強い一面も持っています。

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映画『天才画家ダリ 愛と激情の青春』より

ダリのセクシュアリティは?

作中ではロルカとダリの関係をメインに描いています。ロルカがダリに恋愛的感情を持っていたのはダリ自身も認めており、作中ではダリもロルカとキスをしたりして友情以上の関係を楽しんでいる様子が描かれています。

しかしロルカとダリはキス以上の関係はしておらず、ロルカに身体の関係を持たれた時も全力で拒んでいました。それは彼は本当は異性愛者だから、ロルカとはブロマンス的な感情で性的な関係に発展させたくなかったから……というわけではなく、彼自身が過去のことが原因で性交渉に嫌悪感を抱いているからだそう。

では、ダリの性的指向はなんなのか?実際のところ、ダリが自身のセクシュアリティを明かしていないので定かではないですが、ダリが最期まで陶酔していた妻ガラの存在があることから、ストレートだと思われます……が、ダリの晩年の愛人アマンダはトランス女性だという噂もあるため、ダリのセクシュアリティはストレート寄りではあることはなんとなく分かるけれども、多方面から見ても「不明」につきます。まぁ他者のセクシュアリティを問うなんて野暮ですしね。

そもそも映画で描かれているようなロルカとの恋愛的関係も史実かどうか不明ですし……。

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映画『天才画家ダリ 愛と激情の青春』より

まとめ

ロルカとダリの関係性を描いた『天才画家ダリ 愛と激情の青春』。ロルカはダリと性的な関係を拒まれた腹いせにダリの目の前で性交渉をしたというのは有名な話ですが、そこから着想を得て描かれた本作。

ちなみに奇人変人で奇行が目立つことでも有名なダリですが、確かに変わり者の一面もあったようですが、画家ダリとしての奇行はパフォーマンスであり、あくまでも画家ダリという人物を演じていたにすぎにないそうです。そういったダリの一面を知れる素敵な作品だと思います。

天才画家ダリ03
映画『天才画家ダリ 愛と激情の青春』より
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