ペダルドゥース


あらすじ

アドリアンは昼は有能なビジネスマンだが、夜は親友エヴァの経営するゲイクラブで弾ける。ヨーロッパ銀行頭取のアレクサンドルとの大事な商談の日、「夫人同伴で」と夕食に誘われ、彼はエヴァを「妻」に仕立てて出席。アレクサンドルは会食で出会ったエヴァに一目惚れし、強引に唇を奪う。

アレクサンドルは謎めいたエヴァの恋の虜になり、エヴァを食事に誘い、ついに彼女の店とは知らずにクラブに足を踏み入れる。

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映画『ペダル・ドゥース』より

登場人物紹介&キャスト

アドリアン(パトリック・ティムシット)
ゲイ。昼間は有能なビジネスマンで夜はゲイクラブではっちゃける二面性を持っていて、ゲイライフも謳歌している。親友のエヴァを大事に思っており、恋路も応援する。

エヴァ(ファニー・アルダン)
ゲイクラブのオーナーでかなり奔放だがその実、恋愛に関してはロマンチストで夢見がちなところがある。アドリアンの妻として出向いた会食でアレクサンドルに出会い、その強引さにどんどん惹かれていく。

アレクサンドル(リシャール・ベリ)
ヨーロッパ銀行頭取でストレート。妻がいるがアドリアン夫人として出会ったエヴァに恋をして猛アタックをする。ゲイ嫌いでゲイであるアドリアンやアンドレを嫌悪していたが、エヴァにアタックするために訪れたゲイクラブにいるところを妻に見られて誤解されてしまう。

マリー(ミシェル・ラロック)
アレクサンドルの妻で、自分に興味のない夫にヤキモキしている。ゲイクラブにいる夫を見て「夫はゲイだった」と思い込み落ち込むも、なんとか自分に興味を持ってもらおうとするが、それもやや暴走気味。不妊症だと言っていたが実は不妊症ではなく避妊薬を飲んでいて、妊婦になるのを怖がっていた。

アンドレ(ジャック・ガンブラン)
ゲイでアドリアンやアレクサンドルのビジネス仲間。かなりお調子者な性格でトラブルメーカー気質。

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映画『ペダル・ドゥース』より

感想

『ペダル・ドゥース(Pédale douce)』は1996年のフランス映画。パリのゲイクラブを舞台に、女性オーナーと彼女を慕う男たちが繰り広げるコメディ。

作品としてはアドリアンの終始明るいゲイライフをコメディタッチに楽しんだり、アレクサンドルとエヴァのラブロマンスを楽しんだり(個人的に妻がいて、さらに人の妻として出会ったエヴァに強引にアタックするアレクサンドルに対して倫理観どうなってんだ?と思いながら見てたけども)、初めて踏み込んだゲイの世界にあたふたするアレクサンドルや、夫がゲイだと勘違いして暴走するマリーなどなど、コメディとしてすごく楽しめる要素の多い作品です。

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映画『ペダル・ドゥース』より

ゲイであることで巻き起こるトラブル

昼はゲイであることを隠し夜はゲイライフを謳歌するアドリアン、ゲイクラブで働く女性のエヴァ、ゲイ嫌いだが仕事仲間がゲイだと知ったり好きになった女性がゲイクラブのオーナーだったと知って翻弄されるアレクサンドル、思わず「いやいやそんなことある?」とツッコミたくなるくらい、ゲイというセクシュアリティが様々な事象を巻き起こすはとても面白いです。

個人的にはマリーの暴走具合がすごく好き。夫を尾行したらゲイクラブにいたから夫はゲイだったんだ!って思うところは分かる。そのあと、夫が本当にゲイかどうかを確かめるためにアレクサンドル本人に確認すも会話がアンジャッシュ。さらにアドリアンとアンドレにも探りを入れるも、ここでも会話がアンジャッシュ。

夫に捨てられたくない、魅力的に男に負けた!?とプライドズタボロになったマリーは、最終的に自宅でゲイパーティーを開くことになる。まさにどうしてそうなったである。一応マリーの思考的には夫がゲイ→女である私じゃダメ→ゲイパーティーを開いて夫を繋ぎ留めよう→????である。

また全体的にコメディですが、主人公アドリアンがゲイであるが子どもは欲しいという悩みを吐露していたり、意外にもシリアスな部分もあって見応えがる作品です。

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映画『ペダル・ドゥース』より

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