シュガー


あらすじ

18歳になったばかりの少年クリフはある日、男娼をしている青年ブッチと出会い、すぐに強く惹かれていく。ブッチに導かれてクリフは新しい世界へと足を踏み入れる。そしてそこで、ドラッグとアルコール、そしてセックスの洗礼を受けるクリフ。

互いに影響を与え合いながら次第に友情を深め、親密の度を増していくクリフとブッチ。しかし、2人の間には依然として埋めきれない溝が存在した。ブッチのドラッグをなんとか止めさせようと懸命になるクリフだったが…。

▼Sugar, 2004. Película gay. Trailer(日本語字幕なし)▼


大人になるために闇に溺れるクリフ

『シュガー(Sugar)』は、2004年のカナダのゲイムービー。監督は新人のジョン・パーマー。原作はブルース・ラ・ブルースの短編小説。

ストーリーは18歳になった少年クリフが、男娼ブッチに恋をして裏の世界に溺れていくという破滅ストーリー。破滅ストーリーなんだけど、クリフがいろいろな経験を経て大人になっていく成長譚でもある。

ラブストーリー的には主人公クリフと男娼ブッチなのですが、恋愛感情はクリフの一方的なもので、関係性は友人。なのでブッチは男女関係なく身体を売るけれど、あくまでも友人ポジションのクリフには身体を売らない。

個人的にはクリフにとってもブッチにとっても、この友達関係だったのが良かったのかなって思います。物語後半、ブッチはだんだんとドラッグに溺れていくのですが、クリフは恋愛感情と友情とでなんとかブッチと一緒に溺れることなく、救い出そうと試みます。

もしこれが恋愛感情一本だったら、クリフは一緒になってドラッグや闇の世界に溺れていたのだと思います。

シュガー01
映画『シュガー』より

クリフを導く小学生の妹クッキー

キーパーソンは主人公の妹である、小学生のクッキー。

18歳になったクリフの親からのプレゼントはスケートボード。その子供っぽいプレゼントにクリフは納得できないし、もっと大人になりたいという思いもあったのだと思います。そんなクリフに妹のクッキーは兄へのプレゼントとして「ウォッカとマリファナ」を贈り「遊びまわってセックスしてきな!」と言います...…小学生の妹の行動にビックリです。

一見ハチャメチャなことをやっているクッキーですが、幼いながらも性的指向や欲望、大人への憧れを含めて、主人公クリフを一番理解し、クリフを精神的に支えるキャラクターです。

ここからは個人的な想像ですが、クッキーはイマジナリーフレンド的立ち入りなんじゃないかなって思います。クッキー自身はブッチとも交流を持っていたので、イマジナリーフレンドではないとは思うのですが、あまりにも都合のいいキャラクター。

小学生の妹がアルコールとクスリをプレゼントして夜遊びしてこい!なんて言うかな?年上であるクリフやブッチに的確なアドバイスをするかな?と。そして最後、クリフはクッキーと決別するのですが、妹ならば決別する必要ないのでは?と思ったからです。

クッキーはクリフが大人として成長するためのイマジナリーフレンドで、大人として成長したクリフと分かれたのかなと感じました。あくまでも私の憶測です。

シュガー03
映画『シュガー』より

砂糖のように甘い瞬間

子どもが大人になる期間を切り取った切なくも美しい一瞬、そこを描いた作品。そして一瞬だからこそ、終わりもあっけない。映画全般、モザイク多めでエロティシズムとバイオレンスさ満載ですが、ラストだけはすごくさわやか。

タイトルの『sugar』も、子どもが大人になるための砂糖のように甘い期間、大好きな人ができた恋の甘さ、甘い誘惑であるドラッグ、いろんなものがかけ合わさっているとおもいます。大好きになった人が薬に溺れていく姿をただ見ているしか出来なかったクリフの気持ちを考えると切なくなると同時に彼の成長をも見守れる作品です。

シュガー02
映画『シュガー』より

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