
あらすじ
1920年代のパリ。ある日、コール・ポーターは美しい年上の女性リンダと運命の出会いを果たす。お互いに惹かれ合う2人は交際をスタートさせるが、ほどなくポーターは自分がゲイであることを告白する。彼の音楽の才能と優しさを確信していたリンダは、そのことを承知した上で結婚を決意する。その後2人はヴェネチアへ移り新婚生活をスタートさせる。作曲家としてなかなか芽のでないポーターだったが、リンダの献身的なサポートの甲斐あってついにブロードウェイでのチャンスを得る。
彼のミュージカルは大成功を収め、ポーターは一躍売れっ子となるが...。
▼De-Lovely Official Trailer※日本語字幕なし▼
感想
『五線譜のラブレター(De-Lovely)』は2004年のアメリカ映画でミュージカルや映画音楽において多くのヒット曲を手がけたアメリカの作曲家コール・ポーターの半生を描いている作品です。作曲家のコール・ポーターと妻のリンダとの愛の軌跡を、19もの切なく彩り豊かな楽曲が使用され、物語を豊かにしています。
コール・ポーターは自身がゲイであることを自認しているが、女性であるリンダに強く惹かれます。それは恋愛というよりも友愛に近いものだったらしい、そしてリンダもポーターの性的指向を理解していながら、ポーターの音楽的才能に惹かれて結婚をする。
ゲイであることを知りながらも結婚し、彼を支えようとするリンダの心意気にも天晴ですし、そんなリンダを大切に思い、恋愛感情を持たずとも生涯愛し続けたポーターもまた熱い人間なのだなと感じました。
映画『五線譜のラブレター De-Lovely』より
作曲家コール・ポーター
コール・ポーターは、アメリカを代表する偉大な作曲家の一人で「20世紀を代表する最もアメリカ的な作曲家」とも呼ばれています。
機知に富んだ都会的な詞で知られ、ミュージカルや映画音楽の分野で多くのスタンダード・ナンバーを残した。ミュージカル『キス・ミー・ケイト』は特に人気が高く、日本でもしばしば上演されています。
機知に富んだ都会的な詞で知られ、ミュージカルや映画音楽の分野で多くのスタンダード・ナンバーを残した。ミュージカル『キス・ミー・ケイト』は特に人気が高く、日本でもしばしば上演されています。
コール・ポーターの残した曲はスタンダードとしてジャズの代表曲・名曲として多くのレジェンド達に受け継がれており、コール・ポーターの名曲を知ることによりジャズを楽しめるそうです。
当時の作曲家は作曲のみの人が多かったそうですが、コール・ポーターはほとんどの曲を作詞も手掛けているのも特徴で、作中でもたびたび歌詞を大事にするシーンが見受けられました。

映画『五線譜のラブレター De-Lovely』より
ゲイのコール・ポーターとパートナーのリンダ
コール・ポーターのリンダへの想いは、作中では一貫して「友愛」でした。結婚もして公私のパートナーで恋愛もないのは寂しくないのか?と思ったら、恋愛感情なんかじゃ収まりきらない、信頼や友情、愛情に溢れていて、恋愛感情がないから寂しい…なんてことはないのだなと感じました。そんなコール・ポーター、恋愛要素の強いミュージカル作品の楽曲を担当することも多いとは言え、「愛」を歌った楽曲が多いです。それもかなり熱烈で直接的。そんな愛に溢れた楽曲は、妻リンだの存在が大きかったようで、妻のことを想って作詞作曲したのだそう。愛って「恋愛」だけではないんだなと、改めて思わせてくれました。
そしてリンダもまたコール・ポーターの才能に惚れ込んだ内のひとり。彼の音楽に惚れ、彼の音楽を売り込み、彼自身が音楽を蔑ろにしたときは激高し、彼が音楽から離れなければならないときは涙する。もちろん、音楽そのものだけではなく、コール・ポーターそのものを愛しているからこそだと感じました。
映画『五線譜のラブレター De-Lovely』より
まとめ
実在した作曲家コール・ポーターとその妻リンダの半生を描い作品ですが、なによりもコール・ポーターのヒットナンバーが目白押しで、彼がいかに愛を歌い、妻リンダを想っていたかが分かる映画でした。ゲイではあったものの女性であるリンダと結婚し、リンダもコール・ポーターがゲイであることを知った上での結婚…というのは事実を並べただけだとかなりセンセーショナルな感じではあるのですが、物語としてはおまけ要素。
いかにコール・ポーターとリンダがお互いがお互いを信頼しあい、音楽を愛していたが分かる尊い作品だなと感じました。
映画『五線譜のラブレター De-Lovely』より
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