
マンハッタン恋愛セラピー
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あらすじ
大都会ニューヨークのフラットに兄のサムと暮らす、広告代理店勤務のグレイ。2人は一緒に映画を見たり、ダンスやジョギングをするなどまるで親友のように仲の良い兄妹だった。ある日、サムは公園で偶然に出会った動物学者のチャーリーと恋に落ち、翌日に結婚を決めてしまう!
兄の突然の行動に戸惑うグレイだが、ユーモアのある魅力的なチャーリーに次第に惹かれていく。そしてラスベガスでの結婚式の前夜、泥酔したグレイとチャーリーは…。
グレイは、自分自身ですら気づいていなかった“恋の秘密”に気がつき、パニックとなってしまう。果たしてグレイの求める“真の恋”とは?
▼映画『マンハッタン恋愛セラピー』冒頭映像▼
作品解説
『マンハッタン恋愛セラピー(GRAY MATTERS)』はアメリカのラブコメ映画で、2006年にハンプトンズ国際映画祭でプレミアム上映、翌年2007年にアメリカで限定公開されました。監督・脚本はスー・クレイマー監督、撮影はニューヨーク市で行われたそうです。
今まで気付かなかった自身のセクシュアリティに気づき戸惑うグレイ役にヘザー・グラハム、兄の婚約者でグレイの気になる相手チャーリー役にブリジット・モイナハン、チャーリーに一目惚れで即結婚をしたグレイの兄サム役にトム・キャヴァナー。
自分のセクシュアリティに気づく
これまで自分のセクシュアリティ(レズビアンであること)に気づかず、兄の結婚相手を好きになってしまったことがきっかけで気づき、戸惑うグレイが巻き起こすドタバタラブコメディといった感じ。それまでのグレイは「兄といるのが楽しい」「独身が楽しい」といった感じで、恋愛そのものも積極的ではなかったようで、なので「いつか運命の男の人と出会って、結婚して子どもを持って…」とステレオタイプの将来設計を頭に浮かべていたみたいです。
というより「自分が女の人と恋愛」とか「自分が同性愛者」とかいう可能性を最初から排除していたといった感じ。なので、自分のセクシュアリティを自覚した時はとにかく戸惑い、不安になり、今まで思い描いていた未来図がガラガラと打ち砕かれるようすに絶望するグレイの様子がうかがえます。
そんなグレイですが、馴染みのタクシー運転手の支えがあって、自分のセクシュアリティを受け入れられるようになる過程は本作の見どころのひとつです。

映画『マンハッタン恋愛セラピー』より
実はバレてた?グレイの問題
個人的に面白かったのは、グレイがどこにでもいる少女のようで、ステレオタイプのレズビアンって感じじゃないのが良かったかなと思います。特に前半の兄サムとのやりとりは完全に男女のカップルのそれで、今まで自分がレズビアンだなんて露ほどにも思ってないことが伺えます。現にグレイの仕事仲間もグレイがレズビアンだとは全く思っておらず、グレイのセラピニストに至ってはグレイのカミングアウトを「チャーリー(兄の妻)への嫉妬だ」と否定します。
しかし、グレイの顔なじみのタクシードライバーであるゴーディ(アラン・カミング)はグレイがレズビアンであること見抜いており、結果「本当の自分として生きるんだ」「自分を偽るなんて疲れるよ」とアドバイスを贈ります。
さらに兄のサムもグレイがレズビアンであることには気づいていました。幼少期からグレイを見ているので、片鱗があったようで、グレイのカミングアウトを受け入れます。…まぁグレイの恋の相手が自分の妻だと知ると突き放すんですけどね。
映画『マンハッタン恋愛セラピー』より
まとめ
全体的にラブコメ要素強めで、同性愛描写などリアリティがあるかと言ったら、あまりないと言えますが、自分がLGBTQであったときの戸惑いや、自分を偽らずに本当の自分で生きることの大切さなどのメッセージ性は伝わってきます。兄のサムと喧嘩してしまったり、想い人のチャーリーに想いを告げられないでいたり、職場での人間関係に悩んだり、セラピニストとは馬が合わなかったりと、問題はたくさんありますが、コメディなので、ストレスフリーでどんどん解決していくので見やすい作品だと思います。
個人的にはレズビアンを自覚したグレイが結婚や妊娠出産の夢が打ち砕かれ、恋人と手をつないであることも後ろ指さされると嘆くシーンはコメディとは言え、LGBTQの悩みを具現化してて良いと感じました。

映画『マンハッタン恋愛セラピー』より
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