あらすじ
1865年京都。新選組は新たに隊士を募集した。多くの志願者が集まる中、一際異彩を放つ美少年がいた。加納惣三郎と名乗るその青年は、新選組きっての剣豪・沖田総司をも手こずらせる程の剣の腕の持ち主だった。そして、もう一人、加納と双璧をなす程の剣の腕の持ち主・田代彪蔵の二人が、その剣の腕を認められる。伊藤は近藤と土方に「剣術だけで測るのは気にくわない」という発言をするが、土方は「新撰組は歯向かうものを斬るための集団」とねじ伏せ入隊させた。
しかし、この二人の入隊によって新選組内部の空気は少しずつ変わっていくことになる。田代は衆道(男色)の気を持つ男であり、惣三郎を衆道に引きずり込もうとしていた。
▼映画『御法度(Taboo)』trailer▼
作品解説
『御法度』(英題:Taboo)は1999年に公開された日本映画で映画『戦場のメリークリスマス』の大島渚監督の13年ぶりの監督作品であり、遺作となった。
原作は司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」とし、幕末の京都を舞台に、新選組を男色の視点で描いた時代劇。
前述の映画『戦場のメリークリスマス』以来となる監督・大島渚、主演・ビートたけし、音楽・坂本龍一のトリオ復活、松田優作の息子松田龍平のデビュー作であり初出演、モデル神田うのの映画初出演での花魁姿などで話題となりました。
原作は司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」とし、幕末の京都を舞台に、新選組を男色の視点で描いた時代劇。
前述の映画『戦場のメリークリスマス』以来となる監督・大島渚、主演・ビートたけし、音楽・坂本龍一のトリオ復活、松田優作の息子松田龍平のデビュー作であり初出演、モデル神田うのの映画初出演での花魁姿などで話題となりました。
男を惑わす加納惣三郎
本作はかの有名な新選組を衆道とよばれる男色の視点で描いた異色の時代劇映画。新入隊の加納惣三郎が、同期入隊の田代彪蔵に男色の世界へ引き込まれ、最初はこれを拒んでいたもののやがて衆道にのめり込む。
美少年剣士の加納惣三郎を演じているのは、故・松田優作の長男で当時新人の松田龍平。そんな眉目秀麗の加納惣三郎を恋仲にしようと、男たちの嫉妬や駆け引きが次々に起こっていき、衆道行為は、女性への色恋沙汰同様に新撰組の規律を乱すものとなっていきます。
規律を重んじる土方歳三もまた、局長の近藤の顔色を窺い、幼馴染みの沖田の心中を探り、加納惣三郎が誰と出来ているのかと疑心暗鬼になり、人斬り集団と恐れられた新撰組のトップたちもまた加納惣三郎に色香に惑わされる様子が描かれています。
新選組など実在の歴史上の人物が多く登場する本作ですが、美少年加納惣三郎に関しては記録が少ないため詳細は不明で、新選組のメンバーを誘惑する美少年としての加納惣三郎はあくまでも司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』の中のフィクションだそうです。
新選組など実在の歴史上の人物が多く登場する本作ですが、美少年加納惣三郎に関しては記録が少ないため詳細は不明で、新選組のメンバーを誘惑する美少年としての加納惣三郎はあくまでも司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』の中のフィクションだそうです。
原作の雰囲気を映像化
新選組など歴史上の人物が登場するものの物語上のフィクションとが言ったものの近藤勇の元治元年(1864年)5月20日の書簡には、隊内で男色が流行したと記されてとのことで全くのフィクションとは言い難い。
原作者司馬遼太郎は男色が流行したことや、島原通いで粛清された加納惣三郎という隊士の逸話(存在未確認の逸話)も残っていて、これらの話に着想を得たと言われており、そんな司馬遼太郎の世界観を見事に映像化したのが大島渚監督です。
閉鎖され…言ってしまえばむさ苦しい空間で昼夜を問わず一緒に生活を共にする男たちは、いつしか友情や恋愛、性愛などが混ざり合い、意識し合うようになる。そんな極限にまで追い込まれた複雑な心理描写を見事に描かれていました。
映画『御法度』より
本作を彩る豪華キャスト
本作はその豪華キャストも見どころです。隊員を惑わす美男子加納惣三郎役に松田龍平、土方歳三役にビートたけし、沖田総司役に武田真治、加納惣三郎の同期で加納を男色に染めた田代彪蔵役に浅野忠信、花魁役に神田うのなどなど豪華な顔ぶれ。松田龍平は本作がデビューとは思えない堂々とした演技を披露しましたが、個人的には出演シーンはわずかでセリフもない売れっ子太夫の錦木太夫を努めた神田うのの花魁道中はまさに圧巻。さすがモデルさんと言わざるを得ない佇まいに感服します。
また男と男の危うい人間関係が、坂本龍一の幻想的な音楽がよりドラマチックに演出していて、物語に引き込まれるので、そちらも注目して聞いてみてください。
▼映画『御法度』キャストインタビュー▼
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