ベルベット・ゴールドマイン
posted with カエレバ
あらすじ
ニューヨークの新聞記者アーサーは、かつてロンドンを席巻した伝説のロック歌手 ブライアン・スレイドについての調査を始める。
ブライアンは狂言暗殺をし、それ以来ファンからも失望され行方不明になっていた。
実はアーサーは若い頃ブライアンの熱狂的なファンであり、彼は70年代のロンドンを回想する。
ブライアンは狂言暗殺をし、それ以来ファンからも失望され行方不明になっていた。
実はアーサーは若い頃ブライアンの熱狂的なファンであり、彼は70年代のロンドンを回想する。
それは青年から、マックスウェル・デイモンという架空の人物を演じグラムロックの頂点まで上り詰めたブライアンの歴史であり、彼と共に愛憎の日々を過ごした“ワイルド・ラッツ”の元ボーカリスト カート・ワイルド、そしてアーサー自身の人生の記憶でもあった。
▼Velvet Goldmine - TRAILER (1998)※日本語字幕なし▼
作品解説
『ベルベット・ゴールドマイン(Velvet Goldmine)』 は1998年制作のイギリスの映画で、監督は『キャロル』のトッド・ヘインズ監督。第51回カンヌ国際映画祭芸術貢献賞受賞。 英国アカデミー賞衣装デザイン賞受賞。
性的マイノリティの解放
物語は狂言暗殺により表舞台から消えたカリスマロック歌手ブライアン・スレイドを、新聞記者であるアーサーがブライアンに近い人物にインタビューをし彼の居所を探ると言うストーリー。ブライアン・スレイドの功績はその音楽性だけでなく、性的マイノリティの解放で、新聞記者アーサー自身もブライアンのファンで自身がゲイであることを自覚した経緯があるほど。
それまでのロンドンでは男は男らしく、女は女らしくというスタイルだったらしく、ブライアンのように男でありながら、男性とも関係を持ちメイクをし派手なファッションに身を包むのはかなり異端だったようで、それでいて抑圧された若者に絶大な支持を集めたのだと思います。
当時ゲイをはじめとした性的マイノリティは蔑みの対象だったのに対して、ブライアンは堂々とバイセクシュアルをカミングアウトし、それを恥ずべきことではないとしているその姿は、多くの若者を勇気づけたのでしょう。
映画『ベルベット・ゴールドマイン』より
ブライアン・スレイドのモデル「デビットボウイ」
劇中にはロックスターブライアン・スレイドは架空の人物ですが、ブライアン・スレイドをはじめとした彼の周囲の人々にはモデルがいます。
まず70年代グラム・ロックスターであるブライアン・スレイドはと同じくカルト的に人気を誇り俳優業として『戦場のメリークリスマス』で麗しい海軍将校を演じたデヴィッド・ボウイ。ブライアンのバックバンドのマックスウェル・デイモン&ヴィーナス・イン・ファーズはボウイのバックバンドのジギー・スターダスト&ザ・スパイダース・フロム・マーズに当たります。
まず70年代グラム・ロックスターであるブライアン・スレイドはと同じくカルト的に人気を誇り俳優業として『戦場のメリークリスマス』で麗しい海軍将校を演じたデヴィッド・ボウイ。ブライアンのバックバンドのマックスウェル・デイモン&ヴィーナス・イン・ファーズはボウイのバックバンドのジギー・スターダスト&ザ・スパイダース・フロム・マーズに当たります。
そして劇中ではブライアンとの赤裸々な性愛の情景まで描いているザ・ラッツのカート・ワイルドはザ・ストゥージーズのイギー・ポップ。実際にボウイがバイセクシュアルだったことやイギーと関係があったことは周知の事実だったようですね。
![ベルベットゴールドマイン04](https://livedoor.blogimg.jp/yomedan_chii/imgs/c/e/ce45b4c1.jpg)
映画『ベルベット・ゴールドマイン』より
作品を彩る楽曲
1970年代前半のロック黄金期の終わりと退廃的な輝きを放ったグラムロックの時代を見事に映像化しているのはこの作品の見どころのひとつです。メイク、衣装、ヘアスタイル、美術、装飾…そして音楽という芸術要素がこの作品を彩っています。作中楽曲はオリジナル曲もありますが既存曲もあって70年代の音楽シーンをフィクションながら史実かな?と思わせるにくい構成になっています。
モデルとなったデヴィッド・ボウイの楽曲はいろいろあって使われていないのですが、楽曲使用を認めなかったデヴィッド・ボウイも果敢に切り込んだ内容を描いたトッド・ヘインズ監督も、双方の思惑があってそれが一層『ベルベット・ゴールドマイン』の魅力を引き上げたような気もします。
![ベルベットゴールドマイン03](https://livedoor.blogimg.jp/yomedan_chii/imgs/1/9/196feca2.jpg)
映画『ベルベット・ゴールドマイン』より
【関連記事】
【突然消えた親友は何者なのか】影裏【LGBTQ 映画】
【狂信的愛憎の共依存】ダブルミンツ【LGBTQ 映画/BL】
【男性がミスコンに挑戦!】MISS ミス・フランスになりたい【LGBTQ 映画】
【甘くて痛い罪な女たち】キャラメル【レバノン LGBTQ 映画】
【ゲイ嫌いとゲイの名バディ】パートナーズ【LGBTQ 映画】